院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ベートーベンの交響曲「第九」

2012-09-12 08:04:11 | 音楽
 毎年年末になると、日本各地で「第九」が演奏される。日本人は「第九」が大好きなようである。「第九」は12月の俳句の季語にもなっている。

 「第九」の圧巻は「喜びの歌」であるが、この部分はそんなに素晴らしいフレーズだろうか?私は少し疑問を覚える。

 つまり、「喜びの歌」の旋律は単純すぎるのではないか。調は長調で半音を使わない。構造的には童謡の「咲いた咲いたチューリップの花が」と同じである。

 ドイツ・ロマン派の音楽の主旋律はみなそうである。単純なメロディーに一定の和声法で和音が付けられているだけである。だから、私は飽きてしまう。ロマン派の音楽は、みな同じように聴こえてしまう。

 ちょうど、演歌がみな似たようになるのと同じである。演歌ファンには似たような中でも「違い」が分かるのだが、そうでない人には、よくもまあ、こんなに似たような演歌があるものだと思えるだろう。

 私にとってはドイツ・ロマン派の音楽がそうだ。単純な旋律で、みな似ている。上述のように「咲いた咲いた・・」と同じである。

 だから、ドビュッシーがインドネシアのガムラン音楽を聴いて「これに較べれば、西洋音楽なんて、まるで子供の音楽だ」と嘆息したのが、よく理解できるのである。