院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

・・してもらってもいいですか?

2012-05-16 09:05:58 | 日本語
 最近、若い人の丁寧言葉に「・・してもらってもいいですか?」というのがある。昔はこん丁寧言葉はなかった。「・・してくださいますか?」だった。

 元来、「・・してもらう」というのは丁寧言葉でもなんでもない。丁寧にするなら「・・していただく」である。

 だから、ほんとに丁寧な言葉するには「・・してくださってもいいですか?」となるはずである。

 そのあたりの不徹底なところが、ご愛嬌と言えばご愛嬌である。

国民一人当たりのGDP

2012-05-15 05:00:36 | 経済
 先日、中国のGDPが日本を追い越し、世界第2位になったことは誰でも知っている。

 しかし、国民一人当たりのGDPがどうであるのかは、誰でもは知らない。少なくとも私は知らなかった。

 日本は国民一人当たりでは、まだまだ中国には負けないだろうと思っていた。そして、事実そうだった。

 私が驚いたのは、日本の国民一人当たりのGDPが世界で20位だということだ。日本よりも一人ひとりが豊かな国が、まだ上に19カ国もあるのだ。

 マスコミは知っていたのだろうか?知っていて報道しなかったのだろうか?

 とにかく私には驚愕の数字だった。

昔はみんな共働きだった

2012-05-14 05:57:33 | 社会
 小学生のころ、日本人の8割は農民だと習った。農家の婦人は当然、働いていた。子どもが小さいと、柱に犬のように括り付けて野良に出た。今なら児童虐待のようなことをやっていた。

 もっと前には、婦人は炭鉱労働も行なっていた。仕事が終わると、男女混浴で石炭の汗を流した。

 だから、武家の奥方のような生活をしていた高級サラリーマンの奥さまが憧れの的だった。専業主婦が憧れられた時代があったのだ。

 農民が減り、人口が都市に流入してサラリーマンが増加し、それに伴って専業主婦が激増した。かつての憧れが実現したのである。

 でも、それはいっときのことだった。

 今度は専業主婦が「自分たちにも社会に出る機会を与えよ」と言い出した。やっと掴んだ専業主婦の座を自ら否定し始めたのである。

 このようにして、労働力が市場に大量に注入され、労働力は資本家の「買い手市場」となった。当然、労働力は値下がりした。それでも、市場は「労働力はもう要らない」と言っている。

 その結果、新卒でも80%しか仕事にありつけず、あたら若い労働力を遊ばせておくような社会構造になってしまったのだ。

 そして因果は巡り、若い女性の間に再び専業主婦願望が見え始めているという。

レディ・ガガの日本公演

2012-05-13 14:55:15 | 芸能
 先日、知人(女性)が一家でレディー・ガガの日本ライブに行ってきた。私はお土産にガガの顔入りのTシャツをもらった。

 知人が2年前、ガガのライブに行ったときには、洋楽好きが集まっているという感じだったが、今回は年齢層も好みも実に幅広く網羅されていて、あまりの違いにおどろいたという。

 一家はガガのTシャツを着ていった。そうしたら、ライブ会場でもなんでもないところで、頻繁に外人(白人)に声をかけられたそうだ。もう、人気を通り越して社会現象である。

 ガガのツイッターのフォロワーは2400万人だという。ホリエモンのフォロワー7万人なんて、可愛らしく思えてしまう。

 知人の入場料は、前の方の立ち席で、一人2万4千円だった。知人は一家で10万円近くガガに支払い、ホテル代、新幹線代なども加えると、このライブに相当散財したことになる。

 ガガ側は稼げるときに稼いでしまおうという考えなのだろうか?私はガガを好きでも嫌いでもないが、人気の持続期間はマドンナを超えられないと思う。

性同一性障害

2012-05-12 05:11:10 | 医療
 性同一性障害は、これまで「オカマ」、「男色」、女性の場合は「オナベ」と呼ばれて蔑まれてきた。

 「オカマ」は昼の仕事から締め出されて、オカマバーの「ホステス」になるくらいしか社会進出の道がなかった。「彼ら」は好んで夜の仕事をしているわけではなかった。

 精神科医たちは、何とか元の性別に戻せないかと、精神療法や薬物療法を試みてきたけれども、まったく歯が立たなかった。それは当然のことで、それらの試みは、本物の女性を男性の心に入れ替えるのと同じくらい困難なことだからである。

 近年、性同一性障害が「障害」ではなく「個性」と認められるようになってきた。自ら堂々と「オカマ」と称せるようになった。めでたいことである。

 テレビに「オカマ」が普通に出られるようになった。いまのところまだ、正常な男性が言うとカドが立つような内容を「彼女」らが言えば、カドが立たないというような立場ではあるが・・。

 古来、特にキリスト教圏で抑圧されてきた同性愛も認められるようになった。なんと、オバマ大統領が同性婚を認めた。

 実は、性同一性障害にのように、精神科医がいくら頑張ってもどうしようもない「疾患」が2,3あるのだが、それを明かすのは控えよう。頑張っている大勢の精神科医が可哀そうだからである。

保育所待機児童の原因

2012-05-11 21:08:35 | 社会
 男女雇用均等法ができたとき、女性はこれで社会に進出できると喜んだ。そして確かに進出しやすくなった。

 だが、当時から私は疑問に思っていた。それは女性の労働力が増えたからと言って、そのぶんGDPが増えると思えなかったからだ。

 つまり、労働力がダブついて、労働力が値下がりするだろう。その結果、ヤル気がある女性なら、社会進出できるということではなく、男性一人では家計を支えきれない状況となった。

 好むと好まざるにかかわらず、共働きでなくてはやっていけない社会構造になった。

 その結果として、現在の保育所待機児童の現状があるのだ。

作業療法の製品展

2012-05-10 20:10:54 | その他
 精神科病院の作業療法で作った手芸品を、デパートなどで販売する催しがある。

 素人が作った製品だから、当然、下手である。でも、中に一般の商品と変わらないくらい出来のよいものがある。それが市価の10分の1くらいで売られている。

 世の中には買い物上手の婦人がいるもので、そうした催事が開かれるときには開店前からデパート前で待っていて、開店と同時に出来の良い製品を全部買ってしまうのである。

 婦人たちは目利きだから、彼女たちが通ったあとはカスの製品しか残っていない。

 こうして作業療法による製品展は、市価の10分の1でも買いたくないような品物ばかりが展示されているように見えるのだ。

ギリシャの財政破綻

2012-05-09 11:27:44 | 経済
 ギリシャ総選挙では、増税派の与党が過半数を割った。ギリシャ国民は、これ以上の負担はいやだと「民意」を示した。

 ギリシャの財政がおかしくなってからの、ギリシャ国民の行動は再建の逆をいくものだった。もっと働かなくてはいけないときにゼネストをやった。ゼネストとはみんなで働かないことで、働かなくては誰も援けてくれないことを、ギリシャ国民は気付かない。

 暴動を起こして観光客が来られないようにした。観光はギリシャの大きな資源で、これを使わせないというのは自分の首を絞めるようなものだ。

 ギリシャは破滅のスパイラルに入ってしまった。もう救いようがない。

 でも、国債残高1000兆円という日本にとって、ギリシャもフランスも対岸の火事ではない。

フランス大統領選挙

2012-05-09 11:10:55 | 経済
 緊縮財政を唱えるサルコジ大統領が落選した。フランス国民は当面の痛みを嫌って、長期展望をないがしろにした。

 対立候補のオランド氏は、国民に受けの良いことを言って当選したが、彼のようにやっていては、フランスは第二のギリシャになるだろう。

 事実、サルコジ氏落選と同時に、外国資本がフランスから引き上げた。外国資本はフランス国民と違って、フランスの長期展望を見ているから、当然の行動である。

 しかし、フランス国民にはそれが何を意味するか分からないようだ。

 経済学に疎い私でも、外国資本の行動は了解できる。これは経済学の問題ではなく、常識の範囲だからだ。

 常々ここで言っているように、国民投票で国家元首を選んではいけない。ポピュリズムはときに国を誤る。

 橋下大阪市長はいつもなかなか良いことを言うが、彼が主張する「首相国民投票制」には、とても賛成できない。

世界3大宗教

2012-05-08 06:26:22 | 文化
 イスラム教に「極楽浄土」という考え方があるのかどうか知らない。キリスト教には「復活」という思想がある。

 死後の世界に希望を見出す発想である。

 3大宗教、いや2大宗教(仏教、キリスト教)が、なぜ同じような時期に始まり、これほど世界の下層民を席巻したか、それを解く鍵はこのような発想にあるのだと思う。

 下層民には現実の世界が厳しすぎて、死後にしか救いを見出せなかった。だから、仏教、キリスト教に飛びついたと考えるのは、あまりに単純か?

 これらの宗教は、やがて支配層にも広がった。宗教拡大の順序はこのようだったのではないか?

 イスラム教にも「極楽浄土」のような思想がもしあれば、3大宗教が今でも世界で信奉されている説明がつくのだが。

いらんモノはコメ兵に売ろう

2012-05-06 05:32:23 | 経済
 名古屋の大須という古い盛り場に「コメ兵」(こめひょう)という古道具屋あった。「いらんモノは米兵に売ろう」というキャッチフレーズで、名古屋では有名だった。

 コメ兵は、終戦直後、古着屋として開業した。そのうちにどんな商品でも扱うようになった。最初は貧乏臭い商店だった。

 壊れたカメラや時計も引き取ってくれた。修理して再び店頭にならんだ。カメラや時計のような金目のものだけではなく、椅子でもベルトでも、それこそ何でも引き取ってくれた。

 そのうちにリサイクルブームがやってきて、コメ兵は大発展した。地道に商売をやっていたら急成長し、2003年ジャスダックに上場し、翌年には2部上場を果たした。木造の店舗は、エスカレーター付きのビルになった。

 古道具屋がこんなに成長するなんて、誰も思わなかった。私も思わなかった。

 企業はときに自分が思わなかったほどのブームに遭遇することがある。コメ兵はその代表である。

 (コメ兵のCM)
 (現在のCM)

名古屋駅前のネジビル

2012-05-05 07:59:15 | 環境
 名古屋の駅前にできたモード学園のネジれたビルをご存じだろうか?このビルはいくつもの「驚き」を与えてくれる。

 言うまでもなく、その形状。ネジれていて、あたかも空にドリルが向かっているようだ。他のビルよりも一際目立っている。

 このようなビルを建てるには、技術の粋を尽くさねばならない。じっさい、窓枠ひとつとってみても、ネジれた窓枠を作れる業者は日本に一社しかないらしい。とにかく、難しいそうだ。

 モード学園だけでこのビルを建てた。モード学園とは、そんなに儲かる商売なのか?これも「驚き」である。

 ただ、このビルは目立ちすぎて、町並みに溶け込んでいない。それが最大の欠点である。

 ヨーロッパの古い街が美しいのは、「景観規則」が厳しく、レンガひとつに至るまで、細かい規定があるからである。

 漫画家、梅津かずおさんの居宅が、赤白に塗られた頓狂な建物で、近所の住人から「景観をそこねる」と告発されたが、裁判では負けなかった。

 梅津さんが裁判で勝つようでは、日本の町並みの景観は、どんどん崩れていくだろう。

 (ネジビルの画像)

学生運動

2012-05-04 08:31:31 | 社会
 いわゆるゲバ棒を使うような学生運動が激しかったころに、私は大学生になった。以前から私は、学生運動は「お遊び」で、「非行」の一種だろうと思っていた。

 実際に大学に入って、「非行」であるとの認識を深くした。ふつうなら暴走族で終わってしまうところを、大学生はある程度頭が良いから、「非行」にいろんな思想的な理由をくっつけて、みずからの行動を正当化していた。

 お調子者の思想家が、学生の行動を「支持」したりしていた。

 現実の学生運動を見ていると、もうひとつの特徴があることが分かった。それは、自己顕示欲である。(暴走族と同じである。)

 いわゆる一流校ほど学生運動が激しく、三流校ではそうでもなかったことからも分かる。

 学生をアジる弁が立つ者は、日本共産党系の民主青年同盟(民青)にもいたし、他の過激なセクト(同一思想を持つ者の集まり)にもいた。大抵のセクトはヘルメットを被っていたが、民青は被らなかった。私のような「傍観者」はノンポリ(思想なし)と呼ばれた。

 当時、民青にいた者は、いまでも日本共産党員であることがある。これは本物で、本当に偉いと思う。

 一方、他のセクトだった者は、すぐに運動をやめてしまい、ふつうの人生行路を歩んでいる。彼らは一時の流行で、自己顕示したかっただけなのだ。

 大学の同窓会があると今でも私は言ってやる。「お前は、ノンポリの俺を批判したが、今でも批判できるか?あのときの元気はどこへ行った?」と。

 私に皮肉られた同級生は「昔の話じゃねえか。いつまでも責めないでくれよ」と苦笑いするのである。

 次の同窓会でも、私は同じことを言って、往時の「闘士」にからんでやろうと思っている。

上げ馬神事

2012-05-03 08:15:02 | 文化
 今、三重県の多度大社では、上げ馬神事が行なわれている。馬に乗って土手を駆け上がる勇壮な神事である。重要文化財でもある。

 2009年から、地元の動物愛護団体の告発によって、三重県警が馬に石を投げたり、あおったりする人(これが「普通」らしい)を動物愛法で書類送検した。

 上げ馬神事の会では、馬をあおることを禁止し、土手を低くした。

 実は牛同士を闘わせる闘牛も一部を除いて禁止されている。闘犬もそうだ。闘鶏はどうなっているのかは知らない。

 この手の催事は、先進国では当然、動物愛護の観点から禁止されている。有名なスペインの闘牛でさえ、もはや首都マドリードでは行なわれていない。

 ここで再び問いたい。動物園で動物を狭い檻に入れておくのは、動物愛護の観点からOKなのか?

 神事に文句をつける動物愛護団体の人は、まずもって動物園を批判するべきではないか??

 馬や牛に苦役をしいる馬車や牛耕を批判するべきではないか?競馬も批判するべきである。最終的には肉屋を批判し、肉食を遠慮してほしい。

登山ブーム

2012-05-02 21:22:48 | レジャー
 ダークダックスの「山男の歌」が流行ったころ、空前の登山ブームだった。ロッククライミングで、谷川岳では若者が毎年、何人も遭難した。

 命がけで山に登るのがカッコよかったのだろう。近所の東大生も谷川岳で転落死した。2人のパーティーで、相方の東大生は童話作家、巌谷小波(さざなみ)の孫だった。

 そんな危ないレジャーが流行していたのだ。戦後まだ20年たっていないあのころ、命をもてあそぶのは、さほど深刻なものではなかったようだ。

 このような風潮の流れが、数年後の学生運動に繋がっていくのだが、当時、中学生だった私から見れば、(登山は元来遊びだが)学生運動はもっと遊びに見えた。

 最近、また登山ブームだとかいって、山ガールなんていうのも出てきている。中高年が多いと言うが、なに昔の登山学生が老いてもやっているだけだ。

 「山男の歌」がリバイバルするかもしれない。「山で吹かれりゃよ~、若後家さんだよ~」が再びカッコよいことになるかもしれない。