今月は8件の依頼が有った。
今月より八田・新ドクターが加入し5人態勢となった。
1.電池関連
相変わらず、電池(ボックスも)関連の原因が半数近くになる(電池の容量抜け、電池接点バネ破損等)。
2.ラジコンカーの車輪折れ:車輪と車軸を連結するためにデルリン製(車輪側が6角形状)のボスを使用しているが、これが折れており、接続強度を保てないので了解の上、ホイールごと接着固定とした。
3.アンパンマンキーボード
電池の容量抜けが原因で電池交換して音は正常に出る様になったが、アンパンマンの片腕が上下に動かない。分解してみると、カムから腕のシャフトが外れやすくなっている。調べるとシャフトの位置が悪く(中心から出方が偏っている)ストッパーが効かず、外力を加えるとカムから外れるのが原因らしく、シャフト位置を調整してOKとなる。
4.ドラえもん時計
これも電池容量抜けが主な原因だが交換しても、長針と短針がスリップ気味なのでカバーを外して、シャフトに対して押し込んで、時刻合わせを行いOKとなる。
5.ミッキーマウスのおもちゃ
今回一番手こずらせたおもちゃである。5時間あまりの大手術となった
30年以上も前のアンティークな物で、代々受け継がれて遊んできたおもちゃだが、近所のお子さんが遊んでいるうちに壊してしまったというもの。左腕が折れてしまったという症状。
音(じゃんけんぽん)も出るというので、電池を探したが、依頼者の話で電池は使用していないとのこと。
分解して見ると、音声はソノシートに、先端に針のついたコーンを当てて音を出す構造だった。
腕は外れており、このストッパー部分のモールドが両手共に破損していた。幸い内部に残っていたので接着してみるが強度不足で剥がれてしまうので、最終的にはリン青銅をL型に曲げた補強を添わせて接着固定した。
このおもちゃのミソは、ランダムに「じゃんけん」を出すというものだ。
左手が「パー」の時上がる。右手は「グー」と「チョキ」兼用になっており、チョキの時に指が手の中から出て来るという凝ったものだ。
本体と腕の付け根からレバーが出たり入ったりすることで切り替えている。
ランダムにじゃんけんする構造も面白い。
ミッキーの帽子を押すことでバネが伸び、それが戻る際にソノシートを回す。同時に、押す時に内部のフリーホイールのカムが回ってその止まった位置によりそれに当たっている左右腕(指)が作動するという仕組みだ。
依頼者は、栃木県から来てくれた本物?の女医さんで、修理完了まで貴重な興味深いお話も聞けて楽しかった。
写真は、修理を担当した仁平ドクターです。