長野県の方から下記依頼が有った。
「はじめまして 私も修理製作好きの60歳の男性です。会社のトラックのタダノクレーンのラジコンが壊れてしまいました 基盤関係は苦手ですが 興味が有りチャレンジしました 受信機がだめと思いオークションで手に入れピン等入れ替えしましたがだめ いろいろなプログで情報をみて試みましたが又だめ、そんな中こちらのプログを拝見し修理をお願いしたいのですが同時にどうしてもどこが悪いのか知りたくて連絡差し上げました。どうぞよろしくお願いします。」
送信機1台と受信機2台(現役で故障品/オークション落札品)を送ってもらった。
【現役品】
MFG-№ A20
ID-№ 3A44
受信モジュール表示 R-20155 4.22
ROM V2.02 1991.MAY.28
CPU RCS-MM2
【落札品】
MFG-№ A01
ID-№ 1C0E
受信モジュール表示 R-7580 11.16
ROM V2.01 1989.APR.26
CPU RCS-250
最初、受信モジュールを確認したら、単体では動作(受信のデジタル信号が出ている)しているので、オークション品と入れ替えました。
モジュールの端子はDET,DATA,CA-DET,VCC,FRQの順で表示がある。
それでも、切り替え動作(FRQ端子をオシロで見ると0-+5Vの矩形波が出ており、受信が確定すると+5Vまたは0Vに固定される)しないので、戻して本体基板を調査。
電解コンデンサ(C11)の液漏れで、パターンが融けて断線。これにより、電源のリップルが大きい(P-P:1V程度ある)ため、CPUのリセットが掛りっぱなしになっていました。
コンデンサを外して、コンデンサを交換して、リード線で接続。その他のコンデンサも怪しいのは交換しました。
C3,4,5 1uF/50V
C7 22uF/16V
C9 220uF/50V
C10 470uF/25V
C11,12 100uF/25V
タダノ製の、この時代の機種は、殆どが電解コンデンサ液漏れによる故障が多い様です。
ついでなので、オークション品も同様にコンデンサ交換とリセットIC交換により動作する様になりました。
リセットICはミツミ製PST529C(マーキングはT529C)を使用しているが、同一品が無いので手持ち品のM51957Bを使用する。
SOP-8Pなので変換基板に実装し、メイン基板の元々のICランドにリード線を付けて、変換基板とは直付けする。
オリジナル品(3端子)と異なり、リセット電圧設定用の分圧抵抗と時定数用コンデンサが必要なので、変換基板に取り付ける。
以上で、周波数は異なるので、実際の信号受信確認は出来ませんが、表面のLED状態が、以前修理した同一品と同じになったので、OKだろうとしました。
【追記】
ROMのバージョンの違いなのか、CH1/2のサイクリック信号が、異なっていました。
V2.02 受信機の電源を入れた時は等間隔でFRQ端子が0V/+5Vを繰り返しますが、一旦受信すると、送信機をOFFしたとき、+5Vが長く、その後0V/+5Vを数回繰り返すというサイクルになります。
V2.01 終始、等間隔でFRQ端子が0V/+5Vを繰り返します。
8/11 無事動作したとの返事をいただきました。