トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

自動ドアスイッチユニットの修理依頼

2015-08-21 11:32:06 | 設備修理

 知り合いの電設屋さんの、更に友達という方からの修理依頼があった。
自動ドアのセンサーが時々動作しないというので、この「ワイヤレスドアスイッチ」をトントンたたくと、その現象が出るというので、それを外して持って来た。
optex製のOT-2RSという対向型ビームスイッチというものだ。
単体では調べようが無いのだが、取り敢えず蓋を外して電源関係を見てみた。
AC100V入力で、電源トランスにより約13Vを出力、さらに電子回路用には三端子REGにより5Vにして供給している。この電圧は正常だ。
単純に赤外線を検出している様なので、手持ちの赤外線LEDとフォトトランジスタを各端子に接続することに。
負荷電流が分からないので、直列に電流計を入れて測定するが、数mA程度しか流れないので各素子を直接端子に取り付けした。
するとLEDが緑から、赤緑(オレンジ)に変わった。

入出力間を黒い板で遮ると緑になり、リレー出力も(緑時:ショート、オレンジ時:オープン)と変化する。
LEDとフォトダイオードの電圧波形が下のオシロ画面である。
約400Hzのパルスが出ている。

取り敢えず、半田付けの怪しそうなところは付け直し、スライドスイッチには接点スプレーを塗布した。
実際にセットして、確認してもらうことにし、それでも動作がおかしい時は出向いて調査することにした。

【8/30実機取付も動作せず】
取り付けてもらったが、やはり動作しないというので、自宅に伺って、調査してみた。
考えていた接続と違っていた。
私が良しとした、ねじ端子の部分は巻き込み防止のセンサー用で、実際のドア開閉は赤外線リモコン(38kHzで変調)により、ねじ端子下側の3Pコネクタに接続されていた。
現場でオシロ観測したが、プローブ接続が難しく困難なので、もう一度ユニットを外してもらい、持ち帰って調査することにした。
コネクタには、手持ちの赤外線受信モジュールを接続する。
左から+5V/0V/OUTPUTの順である。
調査してみると、巻き込み防止のセンサーが動作(受光)していないと、赤外線リモコンを受け付けない(動作しない)というのが分かった。
受け付けるとLEDがオレンジ色から赤色に変化し、約7秒間保持し、その後オレンジ色に戻る。赤色になっている間、無電圧出力端子がクローズとなる。
DIP-SWの設定に応じ、同じ設定だけ受け付けるので、マイコン部分も正常に動作している様だ。
現場ではLEDが緑色のままで、変化しなかったので、巻き込み防止のセンサーが動作していないことになる。
ということで、今度はセンサー部を調査することにする。
【8/31再度動作確認】
上記の様に動作シーケンスが解ったので、再度、自宅に伺って実機確認を行った。
巻込み防止センサーを接続しても、LEDが緑のままなので、センサーに異常がある様である。
テスターのダイオードレンジで測定(別ブログで詳細を紹介する)すると、受光部のフォトトランジスタは動作しているが、発光部の赤外線LEDが抵抗無限大なので、途中の断線または素子の不良が考えられる。
交換は難しいとのことで、交換せず、ユニットの端子には赤外線LEDとフォトトランジスタを接続し、光結合で常時動作することで了解いただいた。
この状態で赤外線センサーの受光部コネクタを差し込むと、正常に受信してLEDが赤色に変わった。センサーが問題無くてよかった。ドアの動作も問題無く正常に動作した。

コメント
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