先日紹介したRC-30の修理だが、1台は電池ボックスが無いもので、動作確認は所有している確認用送信機のものを使用したが、今後のために自作を考えてみた。
以前、市販の単三×4本用を削って対応したことがあったが、これでは強度的に弱くなるので、別な方法にする。
単四を使うことで、一回り小さく出来るので、正規品に合わせやすい。消費電流的には、少ないので問題無いと思われる。
秋月の単四×1本・リード線タイプを4個使用する。
プラ板を電池ボックスの幅に切断して2個づつ両面に接着する。
本体との接点には006P用スナップコードを使用し、電池ボックスに接着する。
各リードを半田接続する。
これでは、幅が狭くて、本体とのガタが大きいので両側に1.5mm厚のプラ板を接着する。
誤挿入防止用の突起もプラ板を切って接着する。
完成したところで、接着部分をクイックボンド30分タイプで補強する。
急に受信出来なくなったという症状で依頼が有った。ついでに、予備用に入手した送受信機についても周波数・ID合わせをお願いしたいということで2セット送られて来た。
1.受信不能セット
送信機が届いた時に、動作させるとバッテリーメーターが動作しなかったので、電池ボックスを調べると、破損で修理されていたので、これを応急的に接触させる様にするとメーターが振れる様になり、電波をモニターしてみると、問題無く出ている様だ。周波数は286.925MHzになっている。
その後、正式に電池ボックス破損を補強・修理した。
送信機は問題無さそうなので、受信機を動作させるが、送信機を操作しても受信LEDが点灯しない。
受信モジュールの信号出力には、データーパルスが見られるのでモジュールまでは正常だ。
信号の先はNEC製D4584DCの5晩ピンに接続されている。
D4584はCMOSのHEX SCHMITT TRIGGERの様なので、出力の6番ピンの波形を見るが0Vで変化が無い。
手持ちのICが無かった(HCMOSのHC14は有るが、回路電圧が12Vなので使えない)が、幸い空きゲートが1個(3-4間)有ったので信号を移し替えると、正常に受信出来る様になった。
この様なロジックICの不良は初めてである。
あと気になったのは、アクセルをMaxにしたところで、アクセルが抜けた感じになります(アクセルLEDでの明暗確認)。多分、内部のボリュームが接触不良になっているのかと思われますが修理・交換が難しいので、そのままにとしました。
2.周波数/ID合わせセット
送信機:296.325MHz、受信機:288.025MHzと、異なるので送信機の手持ち水晶が無いか確認したところ288.025MHzが見つかったので交換。
周波数は、受信機の受信LEDが点灯する所に調整する。更に、スペアナを見ながら最大レベルで、最小のスプリアスになる様に調整する。
IDは352なので2進数に変換すると、6.7.9部のダイオードでジャンパーすれば良い様なので、接続替えしてみたら、正常に受信する様になった。
しかし、ホーンは動作せず。押釦スイッチが動作不良になっていた。
また、伏側に操作すると、受信機の「伏」と「フック格納」が同時に点灯する。
送受信機のバージョン違いで発生することは、以前の修理で経験している。
以上を依頼者に確認したところ、ホーンは接続せず、伏の機能も無いということだったので、この状態でお返しすることにした。
先月は都合で欠席したが、今月は参加。6件の依頼が有り、全て修理完了となった。
仁平、八田、深谷、田中の4名で対応。
1.ポケットモンスター XY ポケモンクレーンゲーム(タカラトミー)
修理依頼でおなじみ?の「アンパンマン わくわくクレーンゲーム」とは異なるもの。
チェーンが絡まってしまい、治そうとして分解してみたらモーターの配線が切れて分からなくなってしまい、修理をお願い出来ないかとのことだった。
アンパンマンと同じく3モーターだが、構造が簡単(各々がギアボックス完成となっている)なので、修理し易い。
配線が6本中5本切れている(3本と2本のブロック)ので、底板を開けて、基板への接続順序に基づいて接続してみる。予め、ギアボックス単体で動作するかは確認する。
+-極性は動作させないと分からないが、幸い予想通りで合っていたので助かった。
チェーンの巻き方も気にしなくて良いので楽だ。
また、商品名の様にX:▷(押すと右に移動)Y:△(押すと奥側に移動)のボタン2個のみで、△ボタンを離したところでクレーンバケットが下がり捕まえて、自動で排出口に戻って降ろす。
2.メリー
これは、電池の劣化が原因で交換して、問題無く動作。
3.ラジコンカー
動作しないという症状で、見ると車側の電源スイッチが破損(レバー部が無い)していた。
ピッチの同じ手持ちのスライドスイッチとケース以外の部分を交換することでスイッチはOKとなったが、ステアリングが弱い。
分解してみるとモーターのトルクが弱いので、分解してブラシを清浄し接点グリスを塗布することで良くなったので、組み立て直してOKとなった。
4.リモコンヘリコプター
小型の反転ローター式・赤外線コントロールのもので、下側のローターは回るが上側のローターが回らない。
本体のカウリングを外して見ると、上側ローターを回しているピニオンが下がってスパーギアから外れているので、細いドライバーでピニオンを押し上げてみたら動いたので、動作させてみると両ローターが正常に回ったのでカウリングを取り付けて飛行させたところ、正常に飛んだ。
おそらく、落下によるショックで下がったのかと推測する。
5.キーボード(カシオ製)
おもちゃでは無いのだが、同じボランティアの方からの依頼だったので引き受けた。
不良内容は、ACアダプターの断線(アダプターの引き出し近く)だけの様で、断線部分のフレキシブルモールドを切り開き、コードを出し接続する。
カシオ製のACアダプタは一般用と異なり、中心電極がー(マイナス)なので注意のこと。
電池でも動作する様になっているが、液漏れで電極が腐食していたので、磨いて対応。
問題無く動作した。
6.ラジコンバッテリー用高性能充電器
これも、おもちゃ用では無いのだが、センターボランティアとの協力関係にある「おやじの会」のメンバーということで引き受けた。
押しボタンスイッチ4個中1個が不動作、もう1個は破損でボタンが無いという症状。
分解して分解してみると一般的なタクトスイッチの形状だが、ボタンの長さが極端に長いので一般用は使えない。そこでNKK製の押釦スイッチを使うことにする。
端子の位置が合わないので基板に合わせて曲げる。スイッチの頭は丁度良いのが見つからないので樹脂製6角ボルトを切断してネジ部をφ2.8のドリルで通し、スイッチにはめ込む。
ACアダプタ入力のジャックも熱で変形していたが、中心電極の径がφ2.5用なので手持ち品が使えず、このままとする。
【仁平ドクターからLEDパネルをいただく】
知人から、壊れているのでというので頂いたものがあるというので持って来た。
寸法は縦:510mm、横:730mm、対辺:890mm(35インチ?)と大きい。
液晶テレビのバックライト用かも知れない。
ACアダプタのジャックコードが付いており、DC12Vを接続すると光ったが約半分しか点灯しない。
表面パネルの固定アルミテープをカットして分解する。
上下にLEDがずらりと並んでおり、3個で1基板となっている。これを並列接続しているが、上下共に接続部分で電圧が途切れているので半田を付け直したが点かない。
表裏のランド接続が切れている様なので、手前のLED基板電極からストラップ接続したところ全て点灯する様になったので、テープで貼り直して固定する。
持ち帰り、何に使おうかと考えた結果、作業机の照明に使えそうなので臨時に置いたが、具合が良い。(だが写真の様に作業スペースが殆ど無いほど散らかっているが)
アダプターは1個10円のACアダプター(DC16V出力)を使用した。
これで、暗い時の修理作業も快適に出来そうだ。
2010/10にジャンクとなってしまったアンリツ製選択レベルメーターML422Cだが、GPSを使った標準発振器に、これのREFERENCE-OSCが使えないものかと、引っ張り出して来た。
でかくて21kgもあり、狭い作業場所では苦労する。
まずは、どこに有るか探してみる。
天板を外し、シールド板を外すと見えて来た。
予想(10MHz出力のOCXO)に反し、NDK製50MHz-VCOモジュールが使われていた。
ところが、発振出力が出ていない。
電源線の白が切れていたので接続するが変わらない(後での調査でGND線なので、切れていてもシャーシ接続で問題は無かった)。
また+12V電源入力が+2V程度しかない。インダクタも1個が焦げている。
電源コネクタを外して測定すると、電源モジュール出力は、ちゃんと+12Vが出ているので発振モジュールの抵抗を測定するとショート状態だった。
焦げているインダクタ(101の表示)を外すと、電源入力側の抵抗は無限大に近くなった。
どうやらVCOモジュール内部でショートになっている様なので基板から取り外してみる。
シールドケースは2面が半田付けされていたのでカッターの歯を差し込むと外れてくれた。
電源部にある厚膜ハイブリッドIC(Anritsu製GT04Dの表示)が怪しいので取り外してみるとショート状態になっており、裏側に焦げた跡が2ヵ所見られる。
接続的には3端子(入力・出力・GND)の様なので出力部分に+5Vを印加してみると50MHzの出力が出た。
電圧が5Vで良いかは分からないが手持ち品で安定度の良い「電圧リファレンス(シャントレギュレータ) LM336Z-5.0」を使うことにした。シリーズ抵抗はデーターシートの5kΩとした場合12Vでは安定しないので1kΩとした。これだと8V以上で4.95Vで安定している。出力雑音も出ていない。
シールドケースを付け直し、基板に取り付ける。インダクタは100uH(101)の手持ち品を付ける。
電源のショートが無くなったので+12Vが正常に印加され、50MHzも、問題無く出たので、もしかしてML422Cが正常に戻るかと期待したが、ダメだった。
REFERENCE-OSCの面白いところは1,2,5,10MHzの外部基準周波数で同期させることが出来るというところだ。
このモジュールは恒温槽付き(OCXO)では無かったので、GPS用には、同じく手持ちの10MHz出力OCXOを使うことにする。
車でスマホをAUX接続で再生した場合、スマホの出力レベルをMaxにしても、CDやラジオのレベルより低い。
OP-AMPによる回路が一番安価で出来るのだが、電源が必要となり、少し煩わしいので、パッシブ方式のトランス昇圧(インピーダンス変換)を考えてみた。
使用したのは、山水トランジスタ用小型トランス(ドライバートランス)ST-75で550円/個とアクティブ方式とは1桁ほど高くつく。
巻数比(4.15:1)の増幅となるので、半分位のレベルで済む。
周波数特性的には、低域側は100Hz程度から低下する。高域は10kHz程度から増加する。
聴感上は問題無さそうだ。雑音も感じられない。
以前、NEO-M6を使用したレポートを報告したが、これよりも高性能なNEO-M8Tと同一系列でaitendoより安価に入手出来るu-blox GPSモジュール [GM-8013T] を購入したので、実験してみた。
コネクタが狭ピッチなので、端子付きケーブル[CB-SH](別売)が必要となる。
これを2.54mmピッチに変換する基板を製作してシリアルーUSB変換モジュールに接続してみた。
NEO-6Mと異なり、コネクタにタイムパルス出力が出ているので、これにaitendo製の「基板 with BNCコネクタ [2P-BNCF10-2.5]」 を付ける。
トラ技2016/2号にも解説が有る様に、感度が高く、多種のGPS衛星にも対応しており、捕捉時間も短いので、u-center_v8.18ソフトで室内ながら9~11個の衛星(ロシア製も)が受信出来た。
もう1つの機能として、タイムパルス出力を最高10MHzまで設定出来る。
これも確認してみる。
出力波形をオシロで見ると、あまり綺麗では無く、またトリガーの揺れが見られるので時間軸を長くしてみると、低い周波数のパルスが定期的に発生している。
周波数カウンターで安定度を確認すると、10秒での測定なのでピッタリ10MHzと安定表示はされる。(逆に云うと、周波数カウンターの周波数調整には使用出来る)
以上の事から、各測定器のマスタークロックとしては、直接使えないので、トラ技の製作記事に有る様に「GPS+OCXO」を今後製作しようと思っている。