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産科、小児科、行政の連携による出産から育児まで切れ目のない「ペリネイタルビジット事業」とアメリカ型医療について

2016年08月25日 | ├医療

 大分県別府市が行っている産科と小児科と行政の連携による、切れ目のない子育ておよび母子支援事業について大田区議会健康福祉委員会でしました。この事業は、アメリカにある医療システムにならっているようです。
          
私自身、香港でアメリカ系の病院で出産した経験から、出産前に、産科医から小児科医を紹介され、出産しそのまま子どもは小児科医に引き継がれ、その後、香港在住時は、その小児科医をかかりつけ医として子育てするという、このペリネイタルビジットのような仕組みを体験してきました。

自身の体験と、日本や大田区という都心部におけるペリネイタルビジット事業とその可能性についてレポートします。

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この制度は、アメリカの医療に学んでいるということですが、私が香港で体験した出産とその後の受診のしくみと似ていると感じました。私が出産した病院はアメリカ系だったからかもしれません。

出産後の予防接種から定期健診、病気になった時など、出産直後から子どもを熟知している医師の存在は、大変に心強く海外での医療でしたが安心して医療サービスを受診することができました。

香港で受診していたアメリカ系の病院の費用は非常に高額でしたが、海外赴任中の医療は、会社が負担していたため自己負担なく安心して受診することができました。

日本で、こうした産科・小児科の連携による安心した受診の仕組みの根底には、費用負担の問題があると思います。

連携は重要ですが、そこには、受診料などが生じ、それを誰が負担するのかという問題があります。

など、産科や小児科などの受診、紹介、相談などに関わる費用は誰がどのように負担するれば良いでしょうか。 

別府市では、産科医、小児科医の対応に対し、一件数千円(2,000円、5,000円)の補助を出しており、こうした支援なしに制度として定着させることは難しいと感じます。しかも、行政が出産後の小児科医との連携の費用的負担をしたとしても、小児科医の受診料は、本人が負担することになります。

一方で、東京の場合、産科医不足から、必ずしも生活圏内の産科医療機関で出産するとは限らないため、別府市のような、地域の産科医と小児科医との連携が、より困難であることが想像されます。

同様に、里帰り出産の場合、別府市は、市外の母子への支援を医師会の厚意や行政間の連携で行っているそうですが、出産する場所と子育てする場所の異なることも多い東京の場合の仕組み作りはより難しいでしょう。

便利を消費で解決するアメリカ型医療ではなく、健康と安心を「非営利」でどう支えるかというのがこれまで日本が目指してきた社会保障と医療のしくみです。

都度費用が発生する個人負担というより、日本型国民皆保険制度と行政の保険所システムの中で、活かしていくためにどうすればよいか考える必要があると感じました。

さらに言えば、地域の地縁・血縁が薄くなる一方の社会では、出産、育児などにおける母子支援は、生じる育児不安や虐待などへの対症療法だけではない、働き方、暮らし方、所得の在り方など、根本的な社会システムの改善により解決することこそが重要ではないでしょうか。


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