いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

数字だけじゃない本質(ビジョン)もある

2009-05-14 19:55:09 | 日記
 裁判官も近年多忙になってきて手が回らずに国民の数合わせも
借りて負担軽減しようと、裁判員制度がいよいよ21日から開始
する。
 そもそも法科大学院を設置して裁判の専門家を増やそうとして
きた訳です。裁判官、弁護士になるには、今は法科大学院を修了
して新司法試験に合格することが条件です。

 ですから、法科大学院も当初から入学定員を広げてきました。
そのお陰もあって、目論見どおり新司法試験の受験者も年々増加
の一途をたどり、しかし、その質の低下がはからずも問われるよ
うに合格率はそれに反比例するように低下を続けて、受験者の30
%どまりとなっている。

 司法試験というのは、人間の生命、財産のその後を左右する専
門的判断能力をもつ裁判の専門家を育成する第一関門ですから、
厳しくて当然ですが。
 高度の専門教育を受けた受験対象者とその合格率(者)との反
比例現象をみると、将来の法曹界でのその責任の大きさからも、
教育制度運用上の質の問題に心配がつのりますよ。

 あわせて追い打ちをかけるように、裁判官、弁護士の見識を疑
うような行状が次から次と出てきて困りますね。
 関門をクリアーした法律上の判断能力には疑問はないけれど、
それを「支える」個人のパーソナリティ、人格、ひととなり、という
ものは、それまでの「生き方」、「育ち方」次第です。

 教育とか思考の分野で「数字」が過度に偏重されて、人間形成
の本質からかけ離れているのを、昨今の専門家のあるまじき行状
から図らずも見てとれる。

 新司法試験の合格率30%がどうのというだけに捉われずに、
根幹となる「人間形成」も含めた育て方、教育機関のあり方がど
うあるべきか見極める必要がある。

 とりあえず、法科大学院の入学定員が削減の方向に向かう。

 

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