いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

教訓2〔安心の共有〕

2009-05-26 19:40:23 | 日記
 中国製のウナギから殺虫剤(ジコホルと発表)が検出。
 シジミから除草剤が検出。
 ハム製造会社の地下水からシアン化合物が検出。

 どれもが関連する食品衛生法に基づく法体制の中に、なぜか確固
たる安全基準値の定めがなく、海外の例をとっても安全上の問題(
健康への影響がない)のない範囲内の数値ではあるが、同法の暫定
処置の基準の最低値を適用して回収、破棄することになった。

 大気中、また地下資源中が無菌状態のわけもなく、われわれは体
内も含めてそれこそ健康に影響のない範囲内で雑菌と共生している。
 
 一方、日本の暗い歴史の中で、過って水俣病(水銀汚染)、カネ
ミ油症(PCB汚染)、イタイイタイ病(カドミウム汚染)を象徴
するように、経済発展優先の名のもとに、ズサンな安全管理による
公害汚染列島で社会を震撼させ、その後の想像を絶する病魔を背負
ってきた人々のことも忘れない。

 冒頭の事例で「今後は、日本でも健康への影響があるかどうかで
回収の是非を判断するような合意づくりが必要だ。」との専門家の
意見を聞くと、「いまさら」何をだ。

 過去の暗い公害歴史が「いまさら」も活かされず、法整備があい
まいのまま「安全」の確立と元に戻ることのない深い「キズ」が捨
て去られている。

 今頃になって、健康への影響評価の合意づくり、とはどうした。
 食品衛生の本当の深い論議が、経済偏重社会の中で置き去ら
れている。

 もう日本も、安定不況の時代、過っての経済成長社会へ回帰す
べきもなく、それに見合った社会へ進化し、成熟しつつある。
 そのための「幸せ社会」づくりの条件、基準がひとつひとつ整備
され「共有」されなければだ。

 そしてもうひとつ、殺虫剤、除草剤、シアン化合物が簡単に魚介、
水源に流れていく実態を、安全基準内のものだからという管理能力
の希薄さで片づけられては、今も背負う過去の悲惨で暗い歴史の
「教訓」が浮かばれないぞ。

 「健康への影響があるかどうかの合意づくり」にも、とても安心し
てまかせられない本質が、そこにある。

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