いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

スリリングな政治マッチ。  thrilling politic match

2009-11-12 19:54:05 | 日記
 政治とか行政とかは、スリリング(thrilling)を楽しむゲームではない。
 行政刷新会議(作業グループ)の事業仕分けが、すったもんだの上、ようやく始
まった。450弱の事業を9日間かけて検証し、判定する。

 民間企業では、とっくに同様の業務改善を行って効率化をはかっており、前政権
では財務省の官僚体制、既得権政治の中で、予算シーリング(ceiling)として策
定(概算要求)していたものを、新政権のメイン・フォース(main force)として
、事業に聖域(sanctuary)を設けず、政治主導のもとで情報公開して実施する。

 作業チームの事業仕分けは、一般にも、報道関係へも公開して実施されて、その
様子は予算委員会の審議を見るように、進行した。
 その趣旨や手法については、あたらしい試みで成果が大いに期待される。

 見ている限りでは、慎重審議、検証というよりは、たたみかけて相手に余裕を与
えない質問に、双方かけあい問答と、事業仕分けのあたらしいスタート、公開を意
識しての肩に力が入ったパフォーマンスも強く感じられて、まだまだ円滑に機能し
ていない、これで濃い論議、検証がはかれるのか、気になるところがみられた。

 (1)ひとつは、検証事業も聖域を設けずに多岐にわたり、12月の来年度予算編
成までに時間的な余裕のないこともあり、検証の論議に制限時間を設けたこと。
 事業に聖域を設けずに徹底した見直し、検証をはかることが求められている。

 本来は、制限時間を設けずにプロセスとしての事業の置かれた状況、環境、プラ
イオウリティ(priority)の論議の中で、国益、国民、経済、社会、地域に照らし
て検証して、客観的スリム化をはかることが大事だ。

 (2)また、公開の場ということで、パフォーマンスに走りがち(入れ込み)で、
本当に腰をすえた本質的な論議、検証ができるのか、ムードが行方を支配すること
はないのか、配慮すべきだ。
 公開は基本だが、基本を多角的に話しあえる、その場の落ち着いたムードも大事
だ。

 (3)制限時間で論議、検証を区切って、作業チームのみの投票の多数決で判定す
るのも気になる。
 作業チームそのものの基本的スタンスは、前提を持たない広い角度、立場からの
ものではあると思うが、行政刷新会議そのものは、削減、廃止の論理をテーゼ(these)
としており、論議も尽きずに、数の論理で強行する姿勢が強くなると、ファッショ
(fascio)的な横暴政治にも映る。

 判定には、第三者的立場のチェアマン(chair man,woman)の意見も取り入れる
など、より判定の正当性に工夫も必要となるのではないか。

 国会審議のように実りのない、平行線の論議は避けたいが、しかし、結論ばかり
を前提とするあまりの乱暴な進行は、結論にアイディンティティ(identity)をもたせない。

 事業仕分けは、まだスタートしたばかりで、しかも今回は時間的、人的制約もあ
り、結論が深い考慮、論議のプロセスを圧迫している余裕のなさがみえるが、今後
、この制度が成熟していくに従って、政治的効果は大きいと期待したい。

 

 
 
 

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