事業仕分けも、今日が最終日。年内予算編成に向けて(越年の恐れ)、あとがな
い。予算要求概算額が95兆円になり、税収入は40兆円を割り込むことが確実
で、国債発行(借金)が50兆円の大台に乗ってもまだ収支均衡がとれない財務状
況。
そこで、今年の事業仕分けのメイン・フォースは、事業内容の中からムダを抽出
して、とにかく削減して、その不足分の財源にあてることだった。
中・長期的な事業見通しはさておいて、短期的な「結果主義」を基準として識
別、選別した結果、当然のように当事者間のみのバトルでは、論点がかみ合わなか
った。今年の特殊事情でもある。
今後、1年の事業仕分けの「成果」を追跡検証して、次年度以降(5年スパンは
必要)の事業仕分けで、事業内容の精度をより高めていくことが、精度の高い効果
的な予算運営には必要だ。
事業仕分けは、「夢」の仕分けでもある。「夢」は、希望であり、期待であり、
願望であり、それだけでは「型」のないもの。それを「型」として実現する可能
性、そのプロセス、効果(費用対効果)について検証して、実現効果性を判定す
る。
本来的な事業仕分けの意義からすれば、科学技術、防衛、国土のような中、長期
的な長い効果スパンのものと、環境、福祉、文化のような短期的な効果スパンのも
のとは、区分して対応するのが通常だ。ここを、今年は一括して短期の結果主義の
基準でバッサリ識別したので、ほとんどの利害関係者と軋轢(あつれき)を生んで
いる。
総じて、利害関係者の理念の中から、対象としている原資が、スポンサー国民の
負担(税金)だ、という認識が伝わってこないこと。
社会状況は、今、デフレ経済で、冬のボーナスは15%カット、生活保護世帯は
急増し、20万人もが仕事もなく年末を迎える。スポンサー国民の「生活状況」も
考える必要がある。
そこで、3つ、事業仕分けで印象的なこと。
(1)科学技術関連予算での事業仕分けで、有識者グループから事業内容の選別に
専門性、先見性がないという指摘。当事者同士の仕分けバトルで、第三者的立場の
スタンスがない問題点ではある。
ところが、政府は、こともあろうに、この有識者グループの独善的な指摘に対し
て、すばやく(翌日)このグループと直接話し合いを持つ。どういう話し合いにな
ったのか不明だが、事業仕分けに聖域(sanctuary)をもうけない政治主導に疑念
を持たせる行動だった。
仮に注文により聖域を認めることになれば、従来の既得権益政治と同じで、事業
仕分けの信頼性を損なう。有識者グループの高い専門性を「笠に着る」圧力団体的
なポーズは、どこか不釣り合いで、ふさわしくなかった。科学技術は、経費だけで
はない高い専門能力による開発があるのではないか。
(2)スポーツ関連予算の仕分けで、「これだけつぎ込んでもメダルにならない競技
がある」(報道)意見がでた。スポーツは「夢」を魅せる文化だ。到底一般人では
及ばない高いスキルの極限でのプレーに感動を受け、夢を見る。
「つぎ込んでも費用対効果(メダル価値)がない」という、次元の違うレベルで
比較論議をしては、本来の価値観は見えない。「人間力」を評価しないということ
になれば、「人間力」による事業仕分けの価値を、自ら否定するパラドックス
(paradox)を演じている。
(3)防衛省関連予算。銃器の弾丸費用で、高い国内製品ではなく、訓練では安い
外国製品を使用して効率化をはかるとの仕分け評価。
国防意識の自覚、安全技術力の向上の中で、外国製品を使っての効率化だけ
の訓練が、国民の安全を守るモチベーションを維持できるのか。
銃器の輸出、戦争(戦闘)の助長をまるで肯定するかのような判断だ。価格の高
い国内製品の価格設定の適正化に努めることが先決だ。
い。予算要求概算額が95兆円になり、税収入は40兆円を割り込むことが確実
で、国債発行(借金)が50兆円の大台に乗ってもまだ収支均衡がとれない財務状
況。
そこで、今年の事業仕分けのメイン・フォースは、事業内容の中からムダを抽出
して、とにかく削減して、その不足分の財源にあてることだった。
中・長期的な事業見通しはさておいて、短期的な「結果主義」を基準として識
別、選別した結果、当然のように当事者間のみのバトルでは、論点がかみ合わなか
った。今年の特殊事情でもある。
今後、1年の事業仕分けの「成果」を追跡検証して、次年度以降(5年スパンは
必要)の事業仕分けで、事業内容の精度をより高めていくことが、精度の高い効果
的な予算運営には必要だ。
事業仕分けは、「夢」の仕分けでもある。「夢」は、希望であり、期待であり、
願望であり、それだけでは「型」のないもの。それを「型」として実現する可能
性、そのプロセス、効果(費用対効果)について検証して、実現効果性を判定す
る。
本来的な事業仕分けの意義からすれば、科学技術、防衛、国土のような中、長期
的な長い効果スパンのものと、環境、福祉、文化のような短期的な効果スパンのも
のとは、区分して対応するのが通常だ。ここを、今年は一括して短期の結果主義の
基準でバッサリ識別したので、ほとんどの利害関係者と軋轢(あつれき)を生んで
いる。
総じて、利害関係者の理念の中から、対象としている原資が、スポンサー国民の
負担(税金)だ、という認識が伝わってこないこと。
社会状況は、今、デフレ経済で、冬のボーナスは15%カット、生活保護世帯は
急増し、20万人もが仕事もなく年末を迎える。スポンサー国民の「生活状況」も
考える必要がある。
そこで、3つ、事業仕分けで印象的なこと。
(1)科学技術関連予算での事業仕分けで、有識者グループから事業内容の選別に
専門性、先見性がないという指摘。当事者同士の仕分けバトルで、第三者的立場の
スタンスがない問題点ではある。
ところが、政府は、こともあろうに、この有識者グループの独善的な指摘に対し
て、すばやく(翌日)このグループと直接話し合いを持つ。どういう話し合いにな
ったのか不明だが、事業仕分けに聖域(sanctuary)をもうけない政治主導に疑念
を持たせる行動だった。
仮に注文により聖域を認めることになれば、従来の既得権益政治と同じで、事業
仕分けの信頼性を損なう。有識者グループの高い専門性を「笠に着る」圧力団体的
なポーズは、どこか不釣り合いで、ふさわしくなかった。科学技術は、経費だけで
はない高い専門能力による開発があるのではないか。
(2)スポーツ関連予算の仕分けで、「これだけつぎ込んでもメダルにならない競技
がある」(報道)意見がでた。スポーツは「夢」を魅せる文化だ。到底一般人では
及ばない高いスキルの極限でのプレーに感動を受け、夢を見る。
「つぎ込んでも費用対効果(メダル価値)がない」という、次元の違うレベルで
比較論議をしては、本来の価値観は見えない。「人間力」を評価しないということ
になれば、「人間力」による事業仕分けの価値を、自ら否定するパラドックス
(paradox)を演じている。
(3)防衛省関連予算。銃器の弾丸費用で、高い国内製品ではなく、訓練では安い
外国製品を使用して効率化をはかるとの仕分け評価。
国防意識の自覚、安全技術力の向上の中で、外国製品を使っての効率化だけ
の訓練が、国民の安全を守るモチベーションを維持できるのか。
銃器の輸出、戦争(戦闘)の助長をまるで肯定するかのような判断だ。価格の高
い国内製品の価格設定の適正化に努めることが先決だ。