いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

受信料とメディア戦略。 reception fee and media world

2010-10-12 19:45:17 | 日記
 (1)大学の文系分野では、学部学科、カリキュラム(curriculum)がわかりやすく、実務型
(practice)志向のものが増えている。大学と大学院大学の二本立てで、大学(4年制)は
基礎学問教育中心で、高度で専門性のある教育研究は大学院大学で行う制度によるもの
だ。
 必ずしも、この教育の流れは賛成できないが、それは今回は置いといて、大学(文系)
のわかりやすく実務型志向に対応するように、近年、メディア経験者の大学教員への転出
が目に着く。
 学術論文の1,2本よりは、豊富な取材経験、情報収集・能力、情報量が、わかりやすく、
実務型志向の今の大学には適応するとの考えによるものだろう。さらに、18才人口の減少、
少子化社会に向けての知名度による学生獲得を目指す目的もあるはずだ。

 全国に放送ネットワークを持ち、知名度の高いNHK解説委員、アナウンサーの大学教員
への転出が多い。かっては大学教員というと、専門分野に関する顕著な学術論文がない
と資格審査もむづかしかったものだが、時代背景が変えた。

 (2)そのNHK、全国のテレビ受信家庭から受信料(reception fee)を徴収して原資として
経営、運営する。ほとんどの全国の家庭を対象とするから、受信料といえども税金と同じ性
質のものだ。
 実態は、NHK職員の制作費の横領、受信料着服など不祥事が続いた05年には不払い
機運が一気に高まって支払い率が70%を切って、10年度も75%に届かない現状だ。
 それでも年間受信料収入が6500億円相当と大企業並みの収益を持つ企業(特殊法人)
だ。

 国民からすれば受信料に対する公平感、公共性には納得のいかないものが、いつも存在
する。直近では、NHK記者による仕事上知り得る重要情報(警察の捜査情報)の関係者へ
の漏えい(メール)という、メディアの基本コンプライアンス(compliance)に反する不祥事が
発覚している。巨大メディアが自ら信頼を損なって国民の投資(受信料)に適切に応えてい
ない。

 (3)放送アイテムの急拡大に対応するデジタル化放送(digital broadcasting)という割には、
日々の番組アイテムの貧弱さは目を覆うばかりだ。
 この際、NHKも完全民営化して、質の高い、関心の高い、興味の広い、社会還元の強い、
ジャーナリズムの濃い自由競争の放送メディアの世界にしたらどうか。
 国民の支持の高い(視聴率情報、アンケート)番組、放送媒体には、国(税金)が投資す
る制度でもよい。そもそも、受信料は税金と同じ性質のものだ。

 (4)わかりやすく、実務型といえば、新聞も近年は高年令化に対応してか、文字を大きくし
て紙面構成をわかりやすく変えている。それはそれで結構なことだが、文字を大きくする分、
情報量は減少しているわけで近年は新聞の特徴である高い分析、検証、評価、批判(criticism)
能力が落ちてきている。
 多様なメディアの現代社会の中でも、新聞の持つ役割、能力は他に比較して大きい。

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