いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

リコールの本質論(手続編)。 essential of recall

2010-10-28 19:43:55 | 日記
 (1)名古屋市のいまだに前例のない市議会リコール(解散請求)の署名活動は46万5千人強
(リコール必要署名法定数は36万5千人強)を集め、現在、市選管で審査中だ。
 ところが、市選管の対応のまずさで1か月以内で審査結果をまとめる方針が審査延長方針と
なり、その審査調査継続の11万人署名分がリコール必要法定数に微妙に影響することで、周
辺が騒がしくなってきた。

 市選管は、署名活動前に一定の署名内容(システム)の判定基準(氏名、住所の記入不足、
誤記判定)を示した後、署名活動終了後(名簿提出後)に判定基準(standard of judgment)を
見直し(本人なら氏名、住所を間違えるはずはないとの)、いっそう厳しい判定基準とした。

 本来、活動の審査判定基準というのは活動審査前に事前に示したものを、活動が終了し審査
する段階になって見直すことがあってはならない。審査の公平性、公正性、透明性を損なうあり
えない、初歩的で稚拙な誤った対応だ。
 さらに、1か月以内で審査結果を示すとしたものを、署名「形態」内容による収集の真否性につ
いて精査に時間がかかると審査の延長を決めた。

 精査すべき署名形態内容とは、署名内容の不備ではなくて、一部署名を集める受任者による
署名収集能力が「ありえない数(署名受任者ひとりが集めた署名数としては多すぎるというもの)」
だからと言うものだ。
 市選管は判定基準以外の要素で11万人の署名再確認を行うと言う。仮に11万人分の署名
が不適格と判定されれば、リコール必要署名法定数に届かないことになる。ちょっと言いがかり
的な審査延長決定に、リコール請求側はいっせいに反発している。

 (2)市議会リコール(recall the municipal assembly)といういまだに前例のない署名活動という
こともあり、署名の真実性について慎重、厳格化を期すのはわかるが、署名内容に不備がある
わけでもなくその署名収集方法に市選管の理解を超えたありえない「もの」があるとして、判定
基準以外の要素で再調査、審査をするというのは、パラドックス(paradox)として一般常識の理
解を超えている。

 (3)署名は真実を反映したものであることは必要要件だが、署名内容アイテムに判定基準以外
の不備要素がなければ、表記内容そのものが真実を証明するアイテムだ。受任者ひとりの集め
る署名数にしては考えられない数だとか判定基準以外の要素でそれ(署名)を信用できないとい
うのなら、何のための判定基準化なのか。しかもその判定基準も、あってはならない署名活動後
の「後出し」の厳格化だった。

 審査延長によりリコール請求側の来年の県知事選、市議選、市長選のトリプル選挙が不可能
になるという目論見は、この際審査の公正、公平性実現に必要があるとすれば関係のないこと
だが、市選管のそれこそありえない誤った対応と定まらない方針の「ひとり歩き」による審査延長
決定は、問題を自ら複雑にして事態を混乱させている。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする