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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

自立できない大学。 independence and Univ.

2012-04-04 19:38:52 | 日記
 (1)自立(independence)できない大学、学生はどこから来ているのか。少子化による経営環境悪化、ただでさえ教育先進国と比較して国の教育投資の低さに加えて独立法人化による国の支援後退(自立を促す効果か)、安定、一定しない入学試験制度の劣化により大学教育が生き残りを賭けて「時代」に余りに「迎合」しすぎているへい害だ。
 教育は文化、生活、社会資本の基本を支える重要な「時代」創造媒体であるべきはずが、その「時代」に迎合している。

 電子書籍化は、教育改革に重要な役割、効果を生み出すと考えられるが、近年はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)も大学独自のキャンパス・コミュニティとして導入されている。
 携帯による大学情報の検索システムはすでに常態化しているが、SNSを媒体とした大学内(だけ)の独自の情報通信システムだ。

 (2)近年の若者文化は、ヒューマニティ(humanity)、マン・ツー・マン(man,woman to man,woman)によるコミュニティではなく、携帯、パソコン、スマートフォンなどタブレット(tablet)文化を介在した付き合いで、いつもどこでも自己防衛本能の一線の働く本心、自身を晒(さら)さない時流の中だ。

 SNSは情報の高度化、スピード化、処理化にすぐれて付加価値効果、応用力は高いが、利用の仕方、分野次第のもので、人間社会に万能能力を持つものではない。逆行性もある。

 (3)SNSの大学独自の導入で利用者の42%が「友達をつくる」アイテムとして役に立つと答えている。大学がSNSを導入する目的として、学生(特に新入生対象)が「孤立しない」予防対策と分析するものもある。

 大学のサイトには「友達をつくる」アイコンまである。サービスもここまでくると大学も学生も「自立」することなど至難のわざだ。

 (4)大学はかっての高度な専門的な教育、研究機関として社会から隔絶した孤高の存在から、社会、地域発展への情報、文化発信基地として社会資本としての教育貢献力、研究開発力が問われる身近な存在に進化してきた。

 それはそれで教育、研究分野のすぐれた存在意義(identity)、目的ではあるが、時代を創造する大きな力、役割が社会環境の変化に迎合していつしか時代に迎合していったことが大学、そして学生の自立を阻害する方向性となってしまった。

 (5)今年の入学式では、近年の大卒者の就職難時代を見据えてその日に保証人向けの就職ガイダンスまで開催するところまである。極端にいえば、大学在学期間中はいつ、どこでも多様で多彩な経験、試行錯誤があっていいし、自在なところが魅力でもある。

 企業からは1年生を対象とした就職アタック(intership)をするところまである。在学期間中の経験、試行錯誤はいつ、どこでも豊富に多様にあっていいが、問題は大学も学生も「自立」できない中での時流に流されるその主体性のなさだ。

 (6)SNSもそれはそれで付加価値効果は大きいが、使い方次第で付加価値効果は大きく偏向、変わるし、やはり大学教育の基本は「人と人」との「人間性」、人間能力対話を介在としたコミュニティに存在意義はある。

 多くの思想家を各地で輩出した幕末、大正、明治の教育姿勢に学ぶことも多いはずだ。

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