いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

党首討論と議場。 debate of the party leader and the floor of the House

2012-04-12 19:42:40 | 日記
 (1)議会の議場(the floor of the House)座席構成図は、その国の政治思想、主義、理念、体制が形態化、形式化している特徴的な構図が見られる。
 民主主義の理論、理念が確立して議会制民主主義(parliamentary democracy)の先進国と言われるイギリスでは、与野党議員それぞれが並列で演台を挟んで面と向かい合って並んで対話、討論の政治環境中心の議場構成となっている。

 議論好きの国民性の特質もあり、いやがうえにも対話、討論を促進する、出来る仕組みで納得させられる。議場構成に緊張感があり、対立とともに対話、探求、真剣味が伝わる雰囲気、政治質の高さが自然に伝わってくる。

 (2)そのイギリス(ピューリタン)に起源を持つ米国は、議長を基点にぐるり周りを半円形で囲むように与野党議員が並ぶ議場構成だ。国民が直接選ぶ大統領を政治主義、理念の違わない(手法、理論、支持基盤の違い)二大政党議員が支えるという構図だ。議場議員と演台、議長との距離も近く「一体感」がよく伝わってくる。

 ロシア、中国、北朝鮮の一党独裁、軍事独裁国家の議場は、同士議員を一堂前にして距離間のある高みのところにあるヒナ壇席に指導者がズラリと並列で並び、大会議場の同士議員に睨(にら)みを利かせる威圧的な構図だ。

 (3)日本の議会議場は、米国型とロシア、中国、北朝鮮型の「融合型」と言える。政治情勢、質同様に主義、思想のない、はっきりしないどっちつかずの政治同様の議会議場スタイルだ。

 議会議場の構図スタイルはその国の政治思想、理念がよく反映されていて、歴史を経ても当然のようにその「議会議場スタイル」にあった「政治スタイル」しか身に付かずに、議会議場の「型」が政治の「型」をまたつくり出すとも言える「人間」政治社会でもある。
 議場が議員、人、政治をつくる。

 (4)その融合型、どっちつかずの議会議場の日本の国会で議会制民主主義先進国のイギリスに倣(なら)って、近年、予算委員会で党首討論(debate of the party leader)が開催されている。与党(首相)と野党第1,2党代表による互いの演台を挟んでの対話、討論会だが、とってつけたつけ焼き刃でしかも1時間程度のものでは国会での所信表明に代表質問と変わらずに言いっぱなし平行線のかみ合わない議論に終始して、緊張感も真剣味も探求心も伺えずに、真似てもとても常時その政治スタイル、スタンスのイギリス先進国の政治質の高さなど感じるものではない。

 (5)時間を十分にとって政治課題について分析、比較、解決論を議論し、一致はしなくても(一応、与野党の立場の違いはあるので)政治手法、見方、責任、効果の違いがはっきりする国民に選択の判断資料を与えれる政治学、政治思想学の高い対話が出来ないものなのかと思う。

 ただの対立観をあおり、はたまた相手に嘆願する、塩を送るだけそして中傷に走る1時間の政治ポーズでは意義も意味もない。与野党対立の予算委員会の審議も同じで、党首討論を通じて何か「政治課題」について解決方向を探る仕組みが必要だ。

 そうしないと意義も意味もないし、「討論時間」をかけて政策「工程表」も党首討論の前提として示しての政治力、政策力、実行度、信頼度の比較検証が目に見えて出来るものにすべきだ。

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