いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

経済的被害の妄想。 wild fancies of economical damage

2015-02-05 19:49:10 | 日記
 (1)そもそも実現など考えていないらしいが、最初にハードルの高い案を示しておき(報道)「与党が武力行使を抑制した」と国民向けに演出する(同)狙いもあるとある。

 国家安全保障会議(NSC)事務局が集団的自衛権の行使で「国民に経済的な被害が生じかねない事態」と判断すれば同行使範囲内とする案をまとめたらしい。
 中東ホルムズ海峡での海上封鎖、戦闘により日本への石油輸送が困難になった場合などを指すもので、これでは集団的自衛権の行使容認が限りなく拡大解釈されることになって無制限状態ということになる。

 (2)この発想は戦前の大東亜共栄圏の思想で、アジアとの経済圏確保が日本の生命線として重要だとの思想で旧日本軍によるアジア植民地支配、侵攻、占領政策の根拠となって第2次世界大戦へと突き進む思想要因となったものだ。
 このような過去の国策の過ちのゾンビ思想が今の時代に頭をもたげてきたことに驚くとともに、政府機関会議(NSC)の策略と妄想(wild fancies)にあきれるばかりだ。

 さすがに自民党内にも慎重論があり、公明党は強く反対する(報道)とのことで、冒頭のように最初にハードルを高く掲げて引き下げていく印象の策略で、実現可能性は低いとみられている。

 (3)しかし、戦前思想の大東亜共栄圏を連想させる発想はあまりにも事例不適切で、平和憲法に反して集団的自衛権の行使容認を推し進めて米国ほか軍事同盟国との軍事的協力関係の中で、限りなく都合よく拡大解釈しようという意図がはっきり見えたものだ。

 問題は、経済的不利益をこうむる外的要因に対して平和憲法で戦力を保持せずに交戦権を有しない日本が軍事力(集団的自衛権)を行使して障害要因を打開、取り除こうという軍事力依存の発想が出てきたところだ。

 (4)発想、思想そのものは戦前の大東亜共栄圏と同じで、国際社会から日本が疎外された過去の戦争歴史の危険な妄想だ。
 安倍首相、政権の偏向した右傾化思想が象徴的にあらわれたもので、聞き捨てるわけにはいかない思いあがった不遜(haughtiness)なものだ。

 (5)集団的自衛権の行使容認は憲法改正がともなうものであるというのが法解釈上の筋道で(安倍首相も一度は国会発議の改正を目指したが困難として)、これを安倍首相は与党内協議による閣議決定で憲法解釈の変更というロジック(logic)で無理矢理推し進めているもので、国民の過半数がこれに反対(世論調査)している国民的懸案事項であり、政府機関会議(NSC)が限りなく拡大解釈につながる発想を弄(もてあそ)ぶような事案ではない。

 (6)安倍政権、自民党の1強時代を背景とした政府機関の慢心であり、抑えきれずに本音が出た時代回帰、時代錯誤もはなはだしい横暴無礼な発想、妄想だ。
 対テロ対策の自衛隊の出動の法整備でも十分こちら側の監視も必要だ。

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