いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

停戦合意の矛盾。 contradiction of cease fire agreement

2015-02-15 15:20:22 | 日記
 (1)アフリカ、中東、ヨーロッパで戦禍が絶えない。アフリカは長引く「民族対立戦争」に独裁政治への不満にイスラム過激派、国際テロ組織が乗じて関与して混迷(bewilderment)を深め、中東はイスラエルとパレスチナ対立に代表される「宗教戦争」に米国に反発するイランとイラク、シリア内戦に乗じてイスラム国(IS)が勢力を拡大して、ヨローッパではウクライナが親EU派政権に親露勢力が対立する内戦でEU、米とロシアが対立する「政治戦争」が深刻だ。

 (2)ウクライナ内戦では見かねた仏、独首脳が仲介に入ってウクライナとロシア大統領を含めた4者会談を開催して16時間の長時間協議の末にようやく今日から停戦合意(cease fire agreement)が発効されることになった。

 これまでも停戦合意(昨年9月)はあったが守られたためしはなく、なにしろ停戦前に少しでも勢力支配地域を確保しようと双方が前日まで激しい戦闘をくり返しているのだから、何のための訳のわからない停戦合意だ。

 (3)戦闘前線への停戦指令時差もあるのだろうが停戦合意に向けて話し合いをしているのだから、合意発効日までは容赦なく攻撃をし合うというのもおかしな人間業だ。
 もともと停戦合意などするのなら戦闘、戦争などするなと言いたいところだが、人間世界の割り切れない権力慾、支配欲、独占欲のなせる業なのだろう。

 ここはEUとロシアという比較安定した政治勢力地域を控えているのでそれでも何とか政治的パラダイム(paradigm)が働いているが、アフリカ、中東となると宗教、民族対立にイスラム過激派、国際テロ組織が複雑にからみ合っての手のつけられない終わりの見えない内戦混迷地域だ。

 (4)中東はシリア、イラク政権の弱体化が国内を完全に支配下に置けずにISの勢力拡大を放置している。米国オバマ大統領がIS撲滅に限定的地上部隊の派遣を米議会にはかったが、これにイラク政府がまるでISを利用擁護するかのように地上部隊の派遣を要請したことはないと反対している。

 オバマ大統領がイラクからの米軍撤退を強行したことに対するあてつけの表明なのか主権をないがしろにされている不満なのか、国内を完全に支配できずにISの勢力拡大を止めれないイラク政府としてはメンツなどにこだわっている場合ではない。

 (5)ISの残虐非道ぶりに対抗するには空爆では足りずに地上部隊の投入は避けられない。どこがその任務、危険を負うのかとなれば当事国のイラクとシリア政府以外にはなく、その能力がないとすればそもそもイラクを内戦に導いた、シリア内戦を見過ごしてきた米国の協力責任を負うことは仕方のないところだ。

 (6)せめて仏、独首脳が仲介のウクライナの停戦合意が今度こそ守られるのか、注目されるところだ。
 ウクライナには、事実上の国内分轄停戦合意に同右派系民族主義組織からは停戦前に支配地域を拡げた親露派に「譲歩しすぎ」(報道)との声も聞かれて、国内事情の先行きは不安定のままだ。

 停戦をするぐらいなら戦争、戦闘など起こさないでほしいという願いの中で、始めた戦闘を結果もなく終わらせることには障害は多い。

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