(1)通常国会は通常、首相の施政方針演説、各党の代表質問で始まるのが慣例だが、今回は違った。麻生財務相の財政演説に続き補正予算の審議から初めて成立させ、ようやく昨日に安倍首相の施政方針演説が行われた。
報道によると通常国会開催前の与野党議事運営の打ち合わせが民主党の代表選びの最中と重なって、野党民主党がそれどころではなくて自民党の意向どおりに冒頭のように決まってしまい、あとになって野党が気がついた時には遅きに失しての今回の異例の議事運営になったと言われている。
(2)安倍政権としては経済最優先の方針のために補正予算を早くあげたい意図があった。そこで今回の安倍首相の施政方針演説は「戦後以来の大改革」(a big political innovation since the postwar)がアピールだ。
演説中に「改革」は36回も連呼された(報道)と言われる。経済再生、復興、社会保障改革、教育再生、地方創生、女性活躍などをあげているが、「憲法改正」こそ最もあげたかったのではないのか。
(3)復興は掛け声だけで、計画性のなさ、復興グランドデザインを描かない失政が復興の加速を拒んでいる。手作業で丹念に行われている家屋除染は人員、時間、予算を使って行われたあと、結局は3年半も放置された家屋は住むことなど出来なくて除染後に次々と解体され(報道)ており、時系列的にまったくムダな行政が横行している。
(4)改革の中では農協改革の前進は評価されるものだ。地域農協の自立性、自発性を拒んできた農協全国中央会組織を一般社団法人に事実上解体して、地域農協、農業従事者の自立、独立を推進するものだ。
本来、生産力、開発力、管理力、味覚力、品質力、安全性で高い能力を持つ日本農業の成長を拒んできたのが農協全中組織の監査権であり、政府の食糧自給率にこだわった農業過保護政策であった。
岩盤規制への切り崩しとして農協改革に取り組み推進する姿勢は評価できるものだ。
(5)もちろん、TPP交渉での農産物自由化に備え、対応するための日本農業の国際競争力確保のためのものであるが、日本農業の高い潜在能力を開発、育成する付加価値効果は期待できる。
さらに政府、政治による減反政策、コメ価格調整も廃止して、農業従事者の判断、工夫、自主性、市場原理にまかせる「改革」も必要だ。
(6)それと同演説では指摘されなかったが「国会改革」は避けては通れない大改革(a big innovation of the national diet)だ。
議員定数是正の衆院議長のもとでの第3者調査会の審議結果を安倍首相は受け入れることを表明しているが、同調査会でのアダムズ方式による9増9減案(報道)ごときでは「改革」とはならない。
少子化、人口8千万人時代をも見据えた「大胆」な議員定数、報酬削減で「国会大改革」が必要だ。健全財政化への政治的無計画政策のツケを消費税引き上げで国民投資に頼り、その前にまず国会自らが身を切る覚悟が必要だといわれて、これこそ「戦後以来の大改革」とすべき事案だ。
(7)一部には評価すべき改革内容もあるが、都合のいいロジック(logic)を展開して真実と向き合わないのは、信頼される政権とはいえないものだ。
報道によると通常国会開催前の与野党議事運営の打ち合わせが民主党の代表選びの最中と重なって、野党民主党がそれどころではなくて自民党の意向どおりに冒頭のように決まってしまい、あとになって野党が気がついた時には遅きに失しての今回の異例の議事運営になったと言われている。
(2)安倍政権としては経済最優先の方針のために補正予算を早くあげたい意図があった。そこで今回の安倍首相の施政方針演説は「戦後以来の大改革」(a big political innovation since the postwar)がアピールだ。
演説中に「改革」は36回も連呼された(報道)と言われる。経済再生、復興、社会保障改革、教育再生、地方創生、女性活躍などをあげているが、「憲法改正」こそ最もあげたかったのではないのか。
(3)復興は掛け声だけで、計画性のなさ、復興グランドデザインを描かない失政が復興の加速を拒んでいる。手作業で丹念に行われている家屋除染は人員、時間、予算を使って行われたあと、結局は3年半も放置された家屋は住むことなど出来なくて除染後に次々と解体され(報道)ており、時系列的にまったくムダな行政が横行している。
(4)改革の中では農協改革の前進は評価されるものだ。地域農協の自立性、自発性を拒んできた農協全国中央会組織を一般社団法人に事実上解体して、地域農協、農業従事者の自立、独立を推進するものだ。
本来、生産力、開発力、管理力、味覚力、品質力、安全性で高い能力を持つ日本農業の成長を拒んできたのが農協全中組織の監査権であり、政府の食糧自給率にこだわった農業過保護政策であった。
岩盤規制への切り崩しとして農協改革に取り組み推進する姿勢は評価できるものだ。
(5)もちろん、TPP交渉での農産物自由化に備え、対応するための日本農業の国際競争力確保のためのものであるが、日本農業の高い潜在能力を開発、育成する付加価値効果は期待できる。
さらに政府、政治による減反政策、コメ価格調整も廃止して、農業従事者の判断、工夫、自主性、市場原理にまかせる「改革」も必要だ。
(6)それと同演説では指摘されなかったが「国会改革」は避けては通れない大改革(a big innovation of the national diet)だ。
議員定数是正の衆院議長のもとでの第3者調査会の審議結果を安倍首相は受け入れることを表明しているが、同調査会でのアダムズ方式による9増9減案(報道)ごときでは「改革」とはならない。
少子化、人口8千万人時代をも見据えた「大胆」な議員定数、報酬削減で「国会大改革」が必要だ。健全財政化への政治的無計画政策のツケを消費税引き上げで国民投資に頼り、その前にまず国会自らが身を切る覚悟が必要だといわれて、これこそ「戦後以来の大改革」とすべき事案だ。
(7)一部には評価すべき改革内容もあるが、都合のいいロジック(logic)を展開して真実と向き合わないのは、信頼される政権とはいえないものだ。