いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

安倍政権の歯車。 a gear wheel of abe political power

2015-02-24 19:33:47 | 日記
 (1)「説明しても分からない人は分からない」で農水相を辞任した西川議員だが、そもそも禅問答のような話をいくら説明されても「分からないものは分からない」のだ。
 農水相としてTPP交渉の前面で交渉を支え、日本の砂糖事業を関税撤廃しない対象とする例外事項にしようとしている最中に、利害関係にある国からの補助金交付が決まった(1年間は政治献金が受けれない)「砂糖工業会」と役員構成も所在地も同じ「砂糖工業会館」から政治献金を受けていることがわかり(報道)、本人は違法性はまったくないと開き直ってみせていた。

 (2)そうしておいて、同献金は農水相として誤解を招かないように「すぐ返した」では、カラクリ禅問答のように分かりようのない話だ。誤解を招くような献金を受けておいて(その実、法の網の目をくぐりぬける巧妙なカラクリ献金であることは疑いようもない)「すぐ返せ」ば済むと思う認識が、政治家として選んだ国民を甘くなめすぎている印象が強い。

 他にもやはり国から補助金を受けていた木材加工会社の顧問を務めていた(報道)など、「政治とカネ」のつながりの深い族議員としての古い政治スタイルのへい害の存在そのものだった。

 (3)かっては隆盛を誇っていた自民党の農水「族」議員のベテラン(報道)だが、またそうだからこその古くて新しい政治とカネの疑惑に深く包まれた古い政治体質のすでに国民から否定された政治(09年政権交代)の名残りでもあった。

 そうしておいての「説明しても分からない人は分からない」とのカラクリ禅問答発言では、西川議員の政治感覚が常識外れに包まれていたことを自ら示してみせた自業自得だった。

 (4)「歯車」(a gear wheel)はひとつ狂いはじめると加速して転落へとつながることは政治の世界でも同じだ。安倍政権はアベノミクスで円安株高効果を生んで昨年前半までは順調に推移して、しかし4月の消費税8%引き上げ以後はGDP2四半期マイナス成長が続き、貿易連続赤字と経済指標データは確実に下降線を描いて、わずかに日銀の株価操作のような経済実体を反映しない株高傾向に期待するばかりの現在だ。

 (5)安倍政権の重要政策課題(特定秘密保護法、集団的自衛権、原発再稼働、憲法改正)にはことごとく国民の過半数が反対(世論調査)を示しながら、先の解散衆院選では与党自民党が圧勝して内閣支持率も上昇して40%台という安定ぶりを示してきた不思議な政治現象、政治土台の上にいるのが安倍政権だ。

 政治優先政策、賃上げ、株高効果に期待する小市民的国民(the petite bourgeoisie)意識によるものだが、最近も安倍首相は原発再稼働問題で国民反対の世論調査を問題にしない発言があった。

 (6)破天荒な常識外れの政治感覚を暴露しての閣僚辞任が、ひとつ間違えば安倍政権の政治歯車(a gear wheel of politics)を狂わせる薄氷の心もとない勢いだけの政治基盤、土台にある。

 決して日本の政治状況が不安定になることを望むものではないが、だからこそこの機会に安倍政権が国民の意思と対決しない本来の民主主義政治に向かうことを期待するばかりだ。

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