いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

世界的なナショナリズムの台頭。 world wide nationalism gains power

2015-03-06 19:34:45 | 日記
 (1)憲法改正論者で自衛隊を国防軍に変えようと唱え、特定秘密保護法を制定し、集団的自衛権の行使を容認し米国ほか同盟国との軍事協力を積極的に進めるナショナリストの安倍首相、自民党は、前回衆院選を前にわざわざ報道機関に対して公平な報道を求める文書を渡した。

 その安倍首相が当時、民放TV生放送に出演してその中で街頭の政権批判的コメントを多く取り上げた番組内容(報道)に対して、「選んでますね」、「これおかしい」(同)と注文発言をしたことを予算委員会で野党質問者から問題を指摘されたことについて、「私が考えを述べるのは、言論の自由だ」(同)と反論主張した。

 (2)安倍さんは首相としての法人格と一国民としての私人格を合わせ持ち、国民を代表する首相としての法人格としては私人格よりは制約、制限が多くなるなるのは当然のことだ。
 言論の自由は保障されているとはいえ、法人格と私人格とでは自ずと節度(moderation)、自制力が違って当然だ。政権に批判的な声を多く取り上げて少数者(政権を担当しているということは多数者が支持ということ)の意見も政治に反映する役割もあるメディアに対して、「これおかしい」ではなく私のデータではと反証してみせる度量(magnanimity)が求められるものだ。
 予算委員会審議で野党議員質問中に首相席からヤジを飛ばして、野党から度量がないと批判されたのも致し方のないところだ。

 (3)こちらの国ではどうなのか。米国のシャーマン国務次官が北東アジア情勢についての講演で「どこの政治指導者にとっても、昔の敵を中傷して安っぽい拍手を浴びることは難しくない」(報道)と述べて、暗に中国、韓国政府の日本に対する歴史認識問題に固執する姿勢を批判したと受け取られかねない(米国務省報道官は「特定の指導者を指していると受け取られたことに少し驚いている」)発言に対して、韓国では「日本の肩を持つ内容」(同)と反発が強まっていた。

 (4)言論の自由国の米国務次官としての発言としては、しかしアジア安定のために日米韓連携が必要な時に一方的な政治的に軽率な発言内容であり、反発が出るのは仕方のないところだった。
 ところがこれに「すぐ」に反応したのが韓国国内で、ソウル都心の朝食会に出席(報道)していた米駐韓大使が席に空きがあったことから招待者とは別に会場入りした(同)市民活動家男性にナイフで切りつけられる事件が起きた。
 同大使は重傷を負ったが、「日本の肩を持つ」米国問題発言で韓国国内渦中の中での韓国政府の安全、警備対応、チェック体制の不備、不足が露呈した。

 (5)日本国内の安倍首相の節度、自制をわきまえない強気発言に韓国国内の言論封殺を思わせる凶行を見せつけられると問答無用の戦前のナショナリズムの悪夢がよみがっているような危険な兆候を感じている。

 アジアはかっての自由主義と共産主義の勢力拡大対立から排他的独裁主義の混迷期を乗り越えて、紛争終結による経済発展、成長地域として今は世界経済市場のダイナミズム(dynamism)として注目を集めている。

 (6)一方で新興軍事、経済大国中国は自国利益偏向の軍事拡張路線をとって東アジア、日本との外交、軍事摩擦をくり返している。世界的にも米国をはじめロシア、EUは内政重視の保護主義(protectionism)を展開中でナショナリズムが台頭してきているのが現状だ。

 政治的、経済的に不安定な国を抱えるEU内では政治的極右勢力が国民支持を拡大して台頭し、過激思想が理解され受け入れられる素地がある。

 (7)韓国での米駐韓大使ナイフ襲撃事件は、世が世なら国家間戦争にまで発展する危険極まりない紛争発火点事態であり、今のところは同盟国米国の冷静な対応が救いだが韓国政府の国際的信用失墜は大きく、しかし世界的なナショナリズム台頭(world wide nationalism gains power)を実感させられる世界動向の危険極まりない流れだ。

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