いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

首相とメディアの会食。 premier abe dines with the media

2015-03-20 19:55:51 | 日記
 (1)新聞に公表されている安倍首相の1日のスケジュールを見ていると最後(夜)の方にメディア関係者(政治部長が多い)との会食がよく目につく。最近の報道分析でも安倍首相のメディア関係者との会食は歴代首相の中でも目立って多いと書かれていた。

 メディアとしては安倍首相から情報ないしはそのキッカケとなる話を探りたい思惑があり、安倍首相からすれば何かと政権に批判的なメディアとの良好(でなくても、会食でもすれば気心も知れる)な関係でありたい思惑もあるだろう。

 (2)ただもう相当前の話なので(といっても安倍政権での話)事の仔細は定かではないが(メディアも当事者として批判する特定秘密保護法案の強制成立ではなかったか)、緊急政治問題があきらかとなったその夜に東京主要メディアの政治部長がこぞって安倍首相と会食していたことにあきれて本ブログでも問題だと書いた。

 スケジュールがすでに決まっていたことによるものだろうが、それぞれに冒頭のような「思惑」(expectation)もあってのことも考えられもするが、政権に批判的で距離を置き国民に利益情報を発信する役割と使命のある公平公正なメディアが、政権による政治問題発生時点で当の政権の首相とこぞって会食では意味、意義のある利益情報を国民に発信できるのか、首をかしげさせる首相スケジュールの中身だった。

 (3)事のてん末を考えたら、決まっていたスケジュールでも丁重に断る良識、決断が必要だった。安倍首相は党の要職時代からNHKの報道内容に対して偏向性(diversionism)を指摘したり、首相となっても朝日系TV報道に対して自分に不利な報道を理由に取材に応じないなどメディアとは対決姿勢が比較強い政治家だ。

 安倍首相の政治思想、信条が保守的、右寄り志向であることがメディア取材の批判の的となって、勢い安倍首相には厳しい報道も多くなるが、こうもあからさまに取材拒否をあらわにする、取材対象から締め出す首相もめずらしいものだ。

 (4)信念は強いものがあるのだろうが性格(character)によるところも大きい。最近でも予算委員会での野党の質問中に自席からヤジを連発して同委員長にたしなめられ、野党からは度量(magnanimity)が足りないと批判されていた。

 この首相の性格的な判断は、特定秘密保護法、集団的自衛権の行使、憲法改正論議と「前のめり」に慎重派をものともせずにまい進する独断性、危険性によくあらわれている。

 (5)こういう安倍首相の性格からも国民からよく見えない中でのメディア政治部長の首相との会食の多さ、さらに政治的に不適切な時期での承知の上での会食には判断の疑問が大きい。

 近年のメディアは政治現場の国会がそうだからこそ、批評力(critical power)、批判力が低下しているのは残念だ。随分と読みやすくはなっているが、心に印象に残るものが少ないのは物足りないところだ。
 政治とメディアの距離関係が比較影響していないのか。

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