いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

沖縄に春は来るか。 is spring come to okinawa

2015-03-13 19:43:46 | 日記
 (1)防衛省が春を待つかのように昨年9月から中断していた辺野古沖の海底ボーリング調査を再開した。この間に辺野古移設に反対し連日米軍キャンプシュワブ前で抗議行動を続けていた市民活動家2人が米軍関係者に拘束されて、基地内で4時間保留されるという主権国家として沖縄治外法権化の屈辱的な事件も起きている。

 (2)沖縄基地問題は、①駐留米軍基地の70%以上が沖縄に集中し、
 ②日本の安全保障は日本全体(が応分の責任を負う)の基本政策の問題だという沖縄の声がある中で、
 ③日本国民の過半数が沖縄に米軍基地が集中するのはやむを得ない(世論調査)と考え、
 ④米軍は沖縄をアジア安定戦略(中国、北朝鮮対軍事圧力戦略)の重要基地として沖縄を出ていく考えはなく、
 ⑤日本政府、安倍首相は普天間飛行場移設先は辺野古以外にはありえないと主張して、
 ⑥日米合意で辺野古移設を決定している。

 まさに沖縄問題は出口の見えない迷路(maze)に迷い込んでいる様だ。

 (3)辺野古移設に反対して当選就任した翁長沖縄県知事に対して、日本政府は辺野古移設容認の前知事時代に決定していた沖縄振興予算を削減して圧力をかけて、上京した翁長知事の会見要請にも安倍首相、菅官房長官も応えようとしない拒否徹底ぶりだ。

 翁長知事はこれに対して「どこも予算は厳しい査定」だからと妙に物分かりの良い「大人」の対応をみせている。前知事の辺野古埋め立て容認の決定過程で手続き上の問題がなかったのか第3者委員会での検証を進めているが、政府、防衛省の埋め立て工事(現段階は海底ボーリング調査)阻止に向けた沖縄県知事の対政府対応策は表立って取られずに、冒頭のように春を待つかのように工事は再開された。

 (4)このままで沖縄に「春」は来るのか(is spring come to okinawa)。国民の過半数が沖縄に米軍基地が集中するのはやむを得ないとする中で、沖縄ではかっての鳩山元首相の国外、県外発言が不履行に終わった時の「沖縄県民あげての」徹底抗議行動、拒否姿勢を示すムーブメント、風は感じられない。

 一部市民活動グループの反対行動が報じられて、沖縄行政経験者、識者からの反対声明が聞こえてくるばかりだ。かっての国外、県外選択肢の圧倒的な熱い風はどこへいってしまったのかの想いだ。
 日本国民全体に理解されない沖縄の声、負担苦にまさか失望したわけでもないはずだ。

 (5)いかに米軍基地の負担増解消の正当性はあっても、沖縄だけで政府に対抗するのは容易ではない。辺野古移設に反対して沖縄県民の多数の支持を得て就任した翁長知事が、その信念、信条のもとに移設反対の強いメッセージを発信しないことが今の沖縄問題をあいまいなもの(vague)としている。

 無用に不安をかりたてて、不用な対立よりは対話、協議が基本で重要なことはその通りだが、辺野古以外に選択肢のない日米政府、米軍に対して物分かりの良い「大人」の対応では、沖縄県民の声はダイナミズム(dynamism)を持たない。

 (6)沖縄からも沖縄知事としても、具体的な対抗策、代替案を示してその可能性について説明を果たして日米政府、米軍に日米合意の見直しを迫るぐらいの「気迫」、決意でもないと、このままでは問題打開、迷路を抜け切ることなどできないのではないのか。

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