(1)米国大統領予備選での共和党トランプ候補の勢いが止まらない。これまで勝利をあげている3人の候補者の中で15勝と2位のクルーズ候補の7勝にダブルスコアの圧倒的優位に立っている。
今回の大統領選は民主党候補のヒラリー・クリントン候補以外は民主、共和党ともに政治家として知名度も高くなくて、その元国務長官のクリントン候補もオバマ政策の継承を唱えてこれといった主要政策を主張するわけでもなくて、対立するサンダース候補の格差解消社会、貧困対策の低所得者、若者受けのいい社会政策も財源の裏付けに乏しい現実性に欠けるもので、総じてこれまでの米国大統領選に比べて候補者「小粒」の印象は強い。
(2)それに拍車をかけているのが民主、共和党ともに政策論争そっちのけでの各候補者同士の中傷合戦だ。伝えられる報道では、共和党予備選で優位に立つトランプ候補は勢いにまかせての政治とは関係のない他候補の体形を揶揄(やゆ)したり、自分を批判する相手を「うそつき」呼ばわりしたりの勝手放題で、しかしその過激な発言、パフォーマンスが注目されての支持の高さでもある不可思議でもある。米国社会、政治への現状不満の表れともいわれている。
(3)仮にこのトランプ候補がそのままの勢いで米国大統領に選ばれたでもしたら、米国政治はどうなるのかと共和党本部執行部でなくても心配になるところだ。
大統領制をとる米国政治は議会構成とはかかわりなく国民が直接選挙で国の指導者大統領を選ぶ方式なので、国民の支持を受けた大統領として絶大な権力、権限が集中してそれだけ大統領の判断、決断、裁量も国の行方を左右する影響力も大きい。
(4)いくらトランプ候補でも大統領にでもなれば、今のような注目狙いの過激な発言、突出したパフォーマンスに終始することはないと考えられるし、もちろん大統領個人の資質、能力、見識にもとづく重要な判断、決断が必要であっても多くの抱える専門分野の助言者、協力者、閣僚を含む政治家、スタッフに支えられてのものであり、もちろん上、下両院議会の議論、協力、支持がなければ、米国の政治、外交、経済を強力に推進できるものではない。
(5)仮にトランプ候補が米国大統領に選ばれることがあれば、それなりに「変化」すること、せざるをえないことは当然に考えられる。問題は現在の予備選で圧倒的な優位に立つトランプ候補の過激な発言、他候補を中傷するやり方に対して、共和党本部執行部(主流派)が危機感を抱いてトランプ降ろし(get down)にやっ起になっていることだ。
民主党のクリントン候補はもちろんのこと、有力新聞までが公然とトランプ候補を支持しないキャンペーンをくり広げている。しかしその中でも共和党主流派を代表するといわれるルビオ候補はこれまでわずか2勝のみでトランプ候補の15勝にははるかに及ばない。
(6)共和党本部執行部、有力新聞の懸念、心配はよくわかるが、その意に反してトランプ候補を圧倒的に共和党選挙人が支持しているという現実(actuality)だ。
これが自由主義社会の先頭に立つ米国の自由のよさでもあり、活力でもあった。公正、公平なメディアまでもが米国のよさを自ら否定していては心もとないばかりだ。
トランプ候補の支持者は白人中心で、既成の政治、政治家への反感、不信を持つ人が多いといわれている。米国社会は多民族国家で、近年はヒスパニック系(メキシコなど南米出身)が伸びて黒人層とあわせて白人層をしのぐ勢いの人口比率にあるといわれている。
(7)これに危機感を覚える白人層が反移民主義の過激発言をくり返すトランプ候補支持に集中している構図だ。
米国社会の抱える「現実」問題を無視しての「トランプ降ろし」ではすまない「現実」問題だ。
今回の大統領選は民主党候補のヒラリー・クリントン候補以外は民主、共和党ともに政治家として知名度も高くなくて、その元国務長官のクリントン候補もオバマ政策の継承を唱えてこれといった主要政策を主張するわけでもなくて、対立するサンダース候補の格差解消社会、貧困対策の低所得者、若者受けのいい社会政策も財源の裏付けに乏しい現実性に欠けるもので、総じてこれまでの米国大統領選に比べて候補者「小粒」の印象は強い。
(2)それに拍車をかけているのが民主、共和党ともに政策論争そっちのけでの各候補者同士の中傷合戦だ。伝えられる報道では、共和党予備選で優位に立つトランプ候補は勢いにまかせての政治とは関係のない他候補の体形を揶揄(やゆ)したり、自分を批判する相手を「うそつき」呼ばわりしたりの勝手放題で、しかしその過激な発言、パフォーマンスが注目されての支持の高さでもある不可思議でもある。米国社会、政治への現状不満の表れともいわれている。
(3)仮にこのトランプ候補がそのままの勢いで米国大統領に選ばれたでもしたら、米国政治はどうなるのかと共和党本部執行部でなくても心配になるところだ。
大統領制をとる米国政治は議会構成とはかかわりなく国民が直接選挙で国の指導者大統領を選ぶ方式なので、国民の支持を受けた大統領として絶大な権力、権限が集中してそれだけ大統領の判断、決断、裁量も国の行方を左右する影響力も大きい。
(4)いくらトランプ候補でも大統領にでもなれば、今のような注目狙いの過激な発言、突出したパフォーマンスに終始することはないと考えられるし、もちろん大統領個人の資質、能力、見識にもとづく重要な判断、決断が必要であっても多くの抱える専門分野の助言者、協力者、閣僚を含む政治家、スタッフに支えられてのものであり、もちろん上、下両院議会の議論、協力、支持がなければ、米国の政治、外交、経済を強力に推進できるものではない。
(5)仮にトランプ候補が米国大統領に選ばれることがあれば、それなりに「変化」すること、せざるをえないことは当然に考えられる。問題は現在の予備選で圧倒的な優位に立つトランプ候補の過激な発言、他候補を中傷するやり方に対して、共和党本部執行部(主流派)が危機感を抱いてトランプ降ろし(get down)にやっ起になっていることだ。
民主党のクリントン候補はもちろんのこと、有力新聞までが公然とトランプ候補を支持しないキャンペーンをくり広げている。しかしその中でも共和党主流派を代表するといわれるルビオ候補はこれまでわずか2勝のみでトランプ候補の15勝にははるかに及ばない。
(6)共和党本部執行部、有力新聞の懸念、心配はよくわかるが、その意に反してトランプ候補を圧倒的に共和党選挙人が支持しているという現実(actuality)だ。
これが自由主義社会の先頭に立つ米国の自由のよさでもあり、活力でもあった。公正、公平なメディアまでもが米国のよさを自ら否定していては心もとないばかりだ。
トランプ候補の支持者は白人中心で、既成の政治、政治家への反感、不信を持つ人が多いといわれている。米国社会は多民族国家で、近年はヒスパニック系(メキシコなど南米出身)が伸びて黒人層とあわせて白人層をしのぐ勢いの人口比率にあるといわれている。
(7)これに危機感を覚える白人層が反移民主義の過激発言をくり返すトランプ候補支持に集中している構図だ。
米国社会の抱える「現実」問題を無視しての「トランプ降ろし」ではすまない「現実」問題だ。