(1)元プロ野球選手の清原和博容疑者が覚せい剤所持、使用の疑いで逮捕された時に、2年もの追跡捜査、調査にあたった警視庁捜査員が述べたのは社会的影響力を持つ容疑者だけに万が一にも間違いがあってはならないから、慎重な捜査に時間をかけたというくだりだ。
万が一にも間違いがあってはならないのは、社会的影響力のためではなくて法の下では誰もが平等で公平、公正な裁きによらなければならないからで、捜査の鉄則から当然のことなのにおかしなことを言っているなという印象、違和感を受けた。
こういう誤解、認識の間違いが彼らに間違った特権意識をうえつけてことさらに罪の意識を薄れさせるのだ。
(2)誤解を恐れずに言うなら、世間はTVアナウンサー、教員、学生にいたるまで広範囲に禁止薬物所持、使用違反がまん延、発覚しており、清原和博容疑者だけがことさらにメディアに圧倒的に注目、批難される事件性の今日的社会でもない。
世間に注目される人気商売に身を置くからといってその多くの人がそうであるように善良で常識的な人間であってほしいとは思うが、また世間の広範囲の人がそうであるように間違いを犯すひとりであってもそれはそれで不思議でも何でもないことでもある。
(3)プロ野球巨人の現役選手が野球賭博にかかわったとして昨年末に3名の選手が告発、永久追放され、これを受けて球団も全選手への調査を行い処分は終了したかに見えたが、今年3月末の開幕を控えたこの時期に1軍の中継ぎとして中心となってきた若手投手がこの野球賭博に関与していたことを認めて、巨人球団は最高顧問、オーナー、会長が揃って責任を取って辞任することを発表した。
外部からの指摘を受けての不正発覚を本人がようやく認めた何とも手際の悪い事件の始末だったので球団3首脳すべての引責辞任は当然なのだろうが、当事者の立場の現役野球選手が野球賭博に関わるという利益誘導操作のわい曲の許されない事件性ではあるが、プロ野球選手だから清廉潔白の紳士(a man of integrity)でなければならないものでもない。
(4)巨人軍は球界の「紳士たれ」というのがテーゼだといわれているが、もちろん社会の誰もがそうあるべきではあるがそうもいかないのが社会構造のゆがみでありひずみ(warp)の現実でもある。
法治国家というのは政治の世界では良心的で善良な民主的立場のようにいわれるが、社会悪を律する、パラダイム(paradigm)を維持するためには法律による規制、処罰が必要なのが人間社会の有り様だという裏返しでもある。
(5)社会の成り立ちの性善説、性悪説の根拠としていろいろ言われる所以(ゆえん)でもある。これも誤解を恐れずに言うなら、覚せい剤も野球賭博事件も述べてきたように社会に広くまん延した犯罪の一部分であり、特に注目される立場にあるプロ野球選手だからそんなことに手を染めるはずはない、あってはならないなどと考える方が、社会を偽善的にわい曲化しているだけだ。社会を写す政治の世界も相当にいいかげんだ。
(6)プロ野球選手だからそんな悪い事件に手を染めることなどないと考える方に無理がある。組織から違反者を4名も出したのだから、しかもその始末の不手際から最高責任者らが責任を取るのは当然だが、プロ野球界だけが犯罪に一切かかわらないように制度、方法を確立しなければならない(すべての社会全体がそうあるべきなのはいうまでもないが)と堰(せき)を切ったように世間が言及する風潮を考え直さなければならない権威主義(privileged principle)のへい害だ。
万が一にも間違いがあってはならないのは、社会的影響力のためではなくて法の下では誰もが平等で公平、公正な裁きによらなければならないからで、捜査の鉄則から当然のことなのにおかしなことを言っているなという印象、違和感を受けた。
こういう誤解、認識の間違いが彼らに間違った特権意識をうえつけてことさらに罪の意識を薄れさせるのだ。
(2)誤解を恐れずに言うなら、世間はTVアナウンサー、教員、学生にいたるまで広範囲に禁止薬物所持、使用違反がまん延、発覚しており、清原和博容疑者だけがことさらにメディアに圧倒的に注目、批難される事件性の今日的社会でもない。
世間に注目される人気商売に身を置くからといってその多くの人がそうであるように善良で常識的な人間であってほしいとは思うが、また世間の広範囲の人がそうであるように間違いを犯すひとりであってもそれはそれで不思議でも何でもないことでもある。
(3)プロ野球巨人の現役選手が野球賭博にかかわったとして昨年末に3名の選手が告発、永久追放され、これを受けて球団も全選手への調査を行い処分は終了したかに見えたが、今年3月末の開幕を控えたこの時期に1軍の中継ぎとして中心となってきた若手投手がこの野球賭博に関与していたことを認めて、巨人球団は最高顧問、オーナー、会長が揃って責任を取って辞任することを発表した。
外部からの指摘を受けての不正発覚を本人がようやく認めた何とも手際の悪い事件の始末だったので球団3首脳すべての引責辞任は当然なのだろうが、当事者の立場の現役野球選手が野球賭博に関わるという利益誘導操作のわい曲の許されない事件性ではあるが、プロ野球選手だから清廉潔白の紳士(a man of integrity)でなければならないものでもない。
(4)巨人軍は球界の「紳士たれ」というのがテーゼだといわれているが、もちろん社会の誰もがそうあるべきではあるがそうもいかないのが社会構造のゆがみでありひずみ(warp)の現実でもある。
法治国家というのは政治の世界では良心的で善良な民主的立場のようにいわれるが、社会悪を律する、パラダイム(paradigm)を維持するためには法律による規制、処罰が必要なのが人間社会の有り様だという裏返しでもある。
(5)社会の成り立ちの性善説、性悪説の根拠としていろいろ言われる所以(ゆえん)でもある。これも誤解を恐れずに言うなら、覚せい剤も野球賭博事件も述べてきたように社会に広くまん延した犯罪の一部分であり、特に注目される立場にあるプロ野球選手だからそんなことに手を染めるはずはない、あってはならないなどと考える方が、社会を偽善的にわい曲化しているだけだ。社会を写す政治の世界も相当にいいかげんだ。
(6)プロ野球選手だからそんな悪い事件に手を染めることなどないと考える方に無理がある。組織から違反者を4名も出したのだから、しかもその始末の不手際から最高責任者らが責任を取るのは当然だが、プロ野球界だけが犯罪に一切かかわらないように制度、方法を確立しなければならない(すべての社会全体がそうあるべきなのはいうまでもないが)と堰(せき)を切ったように世間が言及する風潮を考え直さなければならない権威主義(privileged principle)のへい害だ。