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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

荒唐無稽と逆本質論。 nonsense and a contrary theory of essence

2016-03-28 19:48:52 | 日記
 (1)ついに日本の保守層からもトランプ待望論(expectative discussion)が出されたといわれる。米国共和党トランプ候補は「日本や韓国が米軍の駐留経費負担を大幅に増額しない場合は撤退させる」(報道)考えを示した。

 かねてからトランプ候補は日米安保条約は米国が一方的に日本を守り、日本は米国を助けることもしない不公平な条約だと批判していたが、その延長線上の得意の脅しとみられる。
 さらに米軍撤退により「日本や韓国による核兵器の保有を容認する」(同)姿勢まで表明してみせた。

 (2)インタビュアーが「日本は他のどの国よりも駐留経費を負担している」と指摘したのに対して「実際の経費よりはるかに少ない」と反論したといわれる。
 日本の駐留米軍基地負担の高さ、多さが米国メディアでも認識されていることがわかった。

 日本の保守層からのトランプ待望論は、①米軍基地の撤退により沖縄問題が解決して、②日本の防衛を自衛隊(憲法改正して国防軍化)により自主的に担うことができることにより、③軍備装備の充実、強化とあわせて、④日本の平和、安全を守る役割、責任を明確化する憲法改正の必要性に結び付けて国民の理解も得やすいことなどが考えられる。

 (3)さらに日本が所有する原発核融合物を利用した核兵器の開発、保有まで認めるとなると、彼ら(保守層)にとってはすべてが思い通りにうまく運ぶというシナリオなのだろう。

 米国大統領予備選のトランプ候補の極端な白黒はっきりつける論理展開には、現状に不満を抱える米国白人層の支持が高いことを度外視しても、一度米国大統領でもやらせてみたらどうかとの興味本位の気持ちも浮かぶほどこっけいでもある。

 (4)ISテロを見据えてイスラム移民層を徹底的に締め出す姿勢、メキシコとの国境に「万里の長城」を建設して越境者を取り締まり、その費用をメキシコ政府に支払わせるなどは、現実問題として考えられないこともないレベル発言ではあるが(国際摩擦、緊張激化は避けられないが)、IS対策として限定的核兵器を使用する可能性にまで言及するとなるとさすがに米国大統領予備選の真面目な論議なのかとあきれるばかりの荒唐無稽(nonsense)の話で、場を盛り上げるショーマンとしか映らない。

 (5)しかし冒頭発言の米軍基地の日本からの撤退論(a theory of withdrawal)はちょっと違う。現在沖縄に駐留米軍基地の70%以上が集中して沖縄負担軽減が懸案事項となっており、トランプ候補のいうように日米安保条約を見直して米軍基地が日本からすべて撤退するということになれば、日本の米軍基地撤退問題は現在も過重負担に悩まされている沖縄自身も含めてその後の日本の国防、防衛をどうするのか、日本全体でそれこそ別次元での真剣な論議が必要となってくる。

 (6)トランプ候補の荒唐無稽の発言も、ある意味今日的問題、課題の核心を突いたところもあるので、別の角度、次元から考えさせられる、突きつけられる逆本質論(a contrary theory of essence)ではある。

 パラドックス(paradox)としてトランプ候補を一度は米国大統領としてやらせてみたらという話、トランプ待望論にもなる。

 (7)実際はトランプ論理(米軍撤退による日本の軍備強化、核保有化)が仮に日本でも通れば、中国ほかアジア諸国との関係はかっての日本のアジア侵略植民地支配時代に立ち戻って非現実的な荒唐無稽の話になるだけだが。

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