いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ホームグロウン・テロ対策に不可欠なこと。it's indispensable to a counterplot of homegrown terror

2016-03-24 19:39:32 | 日記
 (1)昨年11月のパリ同時多発テロでは隣国ベルギーを拠点化したIS関連のホームグロウン・テロ(homegrown terror)といわれて、テロ被害国のフランスはイスラム教徒移民の集まるベルギーに対してテロリストが紛れ込む国境警備や国内テロ対策の強化の必要性を指摘していた。

 人、モノ、カネの自由往来を理念とするEU社会が都合よくISテロに狙われた。そのパリ同時多発テロ事件の逃走重要実行犯がその後ベルギーに潜伏して今月18日に逮捕されたばかりのそのベルギー首都の空港、地下鉄が22日に再びISテロに狙われ、30人以上の一般市民など犠牲者を出す惨事となった。

 (2)空港テロ実行犯の3人が並んで手押し車を押して空港内を歩く姿が防犯カメラに写って公開された。うち2人はその後空港内で自爆テロを実行した(もう1人は逃走中)。公開された映像時点ではほどなくして自爆テロを実行する2人はどんな思いで歩いていたのか、顔の表情からは無表情で不安な様子は伺えない。

 すでに洗脳されて神に昇華するイスラム聖戦の道、ウイニング・ロードを進んでいるつもりの高揚感にでも浸(ひた)されているのか、その無表情な顔とそのあとに起こす平和を望む国際社会に対する極悪非道の一般市民を狙った自爆テロの被害影響の大きさのコントラスト(contrast)が何ともやるせない、むなしい戦慄を覚える。

 (3)ISはイラク、シリアなど紛争、内戦で政府、政権の国内統治能力がまったく機能していない情勢の中で、それに乗じて世界各国の若者中心にシンパを募って勢力を拡大している。

 ISは組織自らがイラク、シリアなどの紛争、内戦に参加して意図した混迷をさらに深刻化させて地域的影響力拡大を狙っているのだが、これに危機感を共有する米国、EU、ロシアが同内戦地でのIS空爆攻撃をくり返して、これへの報復(IS犯行声明)としてパリ、ベルギー首都への都市を狙った帰還テロリスト(ホームグロウン・テロ)による無差別テロを実行した。

 (4)地理的影響もあるがEU諸国からイラク、シリアなどのISに参加する若者は他地域に比べて圧倒的に多く(報道統計)て、再び本国に立ち戻っての一般市民を狙った少人数によるテロ行為だ。

 ISの目指す本来目的が何なのかはよくわからないが、イラク、シリアなど紛争、内戦国での勢力、地域影響力拡大ということであれば、米、EU、ロシアによるシリアでのIS空爆はテロリストをその地域から押し出して帰還したEU地域を対象としたホームグロウン・テロを誘発、喚起する逆効果になっているということだ。

 (5)少人数によるホームグロウン・テロは一般市民、日常の中に紛れ込んで見分けはほとんどつかずに、自爆テロとなると有効な阻止手段もないのが現状だ。
 移民層居住区ではテロの市民支援者もかなりいるとみられて、潜伏も容易だと伝えられている。

 帰還テロリストの相当量の爆薬、武器などの調達がどのように行われているのか、ベルギー中心にかなり組織的だったテロ支援ネットワークがあるのは間違いない。
 
 (6)国際社会が一致協力してテロ組織のネットワークの解明と事前摘発、国境警備、入国審査の強化、情報分析、共有をひとつひとつ精度を上げて実施していく一方で、IS、国際テロが組織的に展開する紛争、内戦地域に閉じ込めて、できればその国の政府、政権、軍主体による掃討作戦で対抗することが本来のテロ対策だ。

 (7)米、EU、ロシアのシリア空爆攻撃力をイラク、シリア周辺国の国境警備、入国審査強化に組織的に展開してIS、国際テロ組織を閉じ込めるほうがテロ対策には有効ではないのか。米国も直接参戦することなしに、当該国の軍事力教育、指導を方針としていたことがあった。

 今のままでは紛争、内戦国のテロ勢力脅威を離れたEUや圏外国にホームグロウン・テロとして拡大、拡散ことを止めることはできない。

(8)かって日本でも追い詰められて神風特攻隊といわれる自爆攻撃があったが、ホームグロウン・テロの自爆テロもISが追い詰められているものと考えられる。
 テロに対する国際社会の一致協力、団結が不可欠だ。

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