いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日本外交の軽さ。 light degree of japan diplomacy

2019-02-19 20:01:00 | 日記
 (1)河野外相の手腕、存在感に疑問の評価が目立つ。韓国との元慰安婦、徴用工問題の蒸し返し、レーダー照射事件、ロシアとの平和条約締結、北方4島返還問題と目白押し重要外交問題の責任担当者として日韓、日露外相会談を重ねているが、メディアからは「解決の糸口もつかぬまま時間を浪費していないか」(社説)との厳しい評価も聞かれる。

 (2)15日の日韓外相会議では河野外相は元徴用工の賠償判決を巡り政府間協議を要請したが、韓国外相は明言を避けて平行線に終わったといわれる。日本側は前朴政権との政府間合意ですでに解決済み問題としている外交問題で、ここにきてさらに政府間協議をまた持ち出して「あせり」がみられて、逆に韓国側からこれに答えもなく時間稼ぎをされているというパラドックス性(paradoxical)だ。

 (3)韓国国会議長の天皇発言に河野外相は外相会談で抗議したとしているが、韓国側からは外務省当局者が「河野外相は抗議しなかった」とのコメントで反論している。韓国側が河野外相を軽く見ているのではないのかの懸念がうかがえる。

 その後行われた日露平和条約協議の責任実務者の外相会談では、ラブロフ外相から北方4島は戦後法的にロシア領になったことを認めるよう迫られて、北方4島の名称変更にまで言及されたといわれる。

 (4)いずれにしても日本側の主張、立場を相手国に認めさせるという働きかけ、説得よりも、河野外相の相手国の主張に防戦一方という姿勢が目立つ(韓国国会議長からは「謝るべきものが謝らずに、盗人たけだけしい」とまでいわれている)。

 日韓、日露外交問題、交渉は極めて歴史的、政治的なむずかしい重要問題ではあるが、それだからこそ日本の外相として責任ある主張、理論、国民感情を背景に外相として国を代表して問題解決に英知をしぼり話し合い、協議をしなければならない立場にあるもので、日韓、日露交渉ではその「軽さ」が目立つ。

 (5)河野外相は自民党内にいても国会改革などで独自の視点、見解を持ち、時には内閣、自民党執行部とは異なる立場から発言をしてきて異端児のイメージがあるが、安倍内閣の外相として起用されてむしろ地球儀俯瞰外交を掲げる安倍首相の陰に隠れて異端性は消えて成果は乏しく評価に結びついていない。

 国内の記者会見では都合の悪い質問は無視して避けて、記者には記者会見で通用するぐらいの英語能力を求めるなど、それはそれとして政治的に見当違いの姿勢をみせる。自身は米国大学留学経験もあり英語は堪能とみられるが、英語圏に1年、2年も暮らせばほとんどの人は英語に不自由しない環境にはあり、しかし誰もがそういう環境にはあるわけではない。

 (6)安倍首相の地球儀俯瞰外交に隠れて河野外相の外交戦略、理念、理論、意図、考えが見えずに、伝わらずに、外国訪問にはたびたびでかけているが存在感はなく発言からも軽さはある。

 日本の外交は戦争の遺産を抱えて重要局面を迎えており、ここまできて外相交代とはいかないが組織的に「軽さ」の体制立て直しは必要だ。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする