いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国防と自治体。 national defense and self governing body

2019-02-13 20:15:51 | 日記
 (1)安倍首相は改憲理由に国民に一定の支持、理解がある自衛隊が地方自治体からは自衛隊員募集に際して非協力の姿勢にあることをあげて、自衛隊を憲法に明記して存在を揺るぎないものにしたい改憲意思を強調している。

 自衛隊員募集は自衛隊組織が窓口ではなく全国の市町村の事務となっており、安倍首相の発言では「新規隊員募集に対して都道府県の6割以上が協力を拒否している」(報道)として「所要の協力を得られていない」(国会答弁)と述べている(安倍首相の言う所要の協力が何かは別にして、防衛相は自治体の9割の協力が得られていると延べているが)。

 (2)近年は自衛隊員募集も減少にあり自治体の非協力体制を批判したものだが、自治体としても近年の自衛隊が国連PKO活動で海外紛争地への派遣や安倍政権による集団的自衛権の行使容認によ同盟国米国とともに海外紛争地への共同行動を拡大する政策を進めており、自衛隊員の国、国民を守る個別的自衛権による防衛業務以外にあらたに海外の危険を伴う紛争地への派遣業務に自衛隊員を送り込むことになる「窓口」としての責任の大きさ、不安、戸惑いがともなうのは当然だ。

 (3)現代日本は国民徴兵制をとらずに国防は自衛隊員の応募制で自由意志による公募制だが、国は市町村を窓口として手続きをわかりやすく、応募しやすいように自衛隊員確保に配慮している。

 国、国民の財産、権利、自由を守るという国防業務から共通利益のある自治体の協力のもとに実施しているものだが、安倍首相の発言ではその自治体の6割以上が受験票の受理など協力を拒否しているといわれている。

 (4)報道によると住民基本台帳の閲覧可能な氏名などの提供を念頭にした発言とざれる。折しも沖縄の辺野古沖埋め立て工事に際して、政府の委託した工事警備会社から埋め立て工事反対派の氏名など個人情報がつくられて防衛省側に提供されていた(防衛省は否定)とされる問題も引き起こしており、自衛隊員募集にあたっても窓口とされる自治体にとっては自衛隊の危険業務拡大により個人情報の開示など自衛隊員募集業務に慎重な姿勢があったとしても不自然ではない。

 (5)主権国家として国、国民の財産、権利、自由をどう守り、保障するのかは主権の維持の基本的な命題、課題、問題であり、他国からの侵略を防ぎ自国を守る個別的自衛権として国連でも容認されている国防業務だ。

 現在の日本は憲法第9条の戦力不保持、交戦権放棄の制約の中で日米安保条約により米国、米軍との軍事同盟国関係の防衛体制にある。
 このため国内に駐留米軍基地を提供し、沖縄にはその70%以上が集中して過重負担、不平等地位協定の人権問題が政治、社会問題化している。

 (6)地方分権の自治体としては政府、防衛省の方針に左右される国防業務の窓口となることへの抵抗感は考えられて、国、防衛省としても自衛隊員募集のあり方について慎重に考慮する必要がある。

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