いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ロシアの主権論。 sovereigntry theory of restoration in russia

2019-02-07 20:04:18 | 日記
 (1)北方4島問題、ロシアは日本側に対して戦後法的(ヤルタ協定)にロシア領になったことを認めるよう迫る中で、日本が北方4島は日本固有の領土と主張して正面からぶつかり合っても交渉は進展しない。

 そこで安倍首相は日ソ共同宣言にもられた平和条約締結後に歯舞、色丹2島を日本に返還することを踏まえて2島返還+極東経済活動協力の方針に転換してプーチン大統領と会談を重ねている。

 (2)プーチン大統領も一時、引き分け論として2島返還を示唆する発言もしていたが、最近のロシ側の態度、主張はラブロフ外相が実務者(外相)協議で冒頭のような強硬姿勢を主張して領土返還には応じない構えをみせている。

 プーチン大統領は2島返還にあたっても「主権」(sovereigntry)問題は残るとして、あくまでロシアの法律に基づく統制管轄権権にこだわる姿勢を示したといわれる。
 日ソ共同宣言から後退して北方4島が戦後法的にロシア領になった主張に添った姿勢だ。

 (3)安倍首相も通常国会が召集されて北方4島問題について日本固有の領土という発言を控えるようになって、ロシア側を刺激しない配慮がみられる。
 直近の世論調査では2島返還+経済共同活動の考え方、方針に賛成46%と反対36%を上回る結果となった。

 領土問題は国の主権、権利が及ぶ基本的な問題なだけに、方法はどうであれ一旦他国に編入、統合されれば容易には返らない、返さないむずかしい問題なだけに、ものわかりのいい小市民的国民意識(the petite bourgeoisie)の現在の国民にとっては2島返還だけでも返ってくるなら十分だとの認識が高いとみられる。

 (4)しかしロシア側は北方4島の名称変更を日本側に求めて、主権問題は残るとして北方4島はロシア領との強硬姿勢を示しており、2島返還も簡単ではない。
 プーチン大統領の「主権」主張もあって、さらにロシア国内での領土返還に反対する国民行動も伝えられて、ロシア側は長期交渉の構えをみせている。

 安倍首相としてはあと3年の任期中での領土問題の解決を目指してプーチン大統領との会談に意欲を示しているが、今のところはロシア側のペースで足元を見られている経過だ。

 (5)もちろん何もしないでロシアの出方をみているだけでは、ロシア側の主張のとおり北方
4島返還は叶うものではなく、事あるごとに北方4島は日本固有の領土であり戦争によって不法占拠されたものだと主張することは必要だ。

 ロシア側としては仮に2島だけを日本側に返還したとしても、そこに米軍が進出して沖縄のように米軍基地化されることを警戒しておりそこでのプーチン大統領の返還主権論(sovereigntry theory of restoration)の展開だが、最近の米露INF離脱による核開発競争再燃激化により北方4島返還のシナリオ環境はさらに厳しさを増したとみられて、日本側にとってはむずかしい、厳しい事態、側面を迎えたといえる。

 (6)日ソ共同宣言に立ち返って冷静に時間をかけて理論的段取りを踏んで、北方4島返還問題を話し合う、交渉する姿勢、決意が求められる。
 日本側があせればロシアペースの思うツボになる。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする