いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

英国の決断。 decision of England

2022-07-11 20:21:10 | 日記
 (1)英メイ前首相のもとで国民の過半数が支持する英国のEU離脱を実現し、しかしEUとの離脱交渉が一向に進展せずに当時メイ首相が辞任して、登場したのがEU離脱強硬派の現在のジョンソン首相だ。ジョンソン首相はEU離脱交渉をとりまとめて英国のEU離脱を正式に実現させた。

 (2)そのジョンソン首相がつまずいたのは、コロナ感染拡大中に政府がコロナ対策として打ち出した国民に対する行動制限中にジョンソン首相は官邸で開かれた自らの誕生パーティーに参加していたことが発覚して批判を受けて、議会からも辞任要求が出ていたが、露によるウクライナ軍事侵攻が始まり、ジョンソン首相はG7国の中でも米国同様にひときわウクライナ軍事支援を打ち出して存在感を示して、英議会の首相不信任案決議では(報道では適当な後任者不足で混迷回避のため)反対多数で否決されて続投が決まった。

 (3)これに対して主要閣僚が相次いで辞任を表明し、副大臣級の高官ら40人以上も役職辞任(報道)を表明して政治の信任を失い、ついにジョンソン首相は辞任に追い込まれた。議会制民主主義発祥国である英国の国民の信頼を裏切る(パーティー・ゲートで)ジョンソン首相の行動に議会、内閣が厳しい判断を示したものだ。

 (4)日本でもコロナ社会で外出、行動、営業時間規制中の深夜に飲酒、飲食した議員が批判を受けて離党、辞職した。英国ではそれがジョンソン首相自身とあっては面目ないところだ。英国と日本の対応の違いは、日本は議員の出処進退は議員自らが決すべきことと(の建前論で)議員の判断に委ねるところ、英国はジョンソン首相自身とはいえ閣僚、高官ら多数が首相の資質不十分として続投に一斉に厳しい反対行動を示したところだ。

 (5)政権に対して責任を持つのはジョンソン首相だけでなく内閣全員の責任問題という強い決意がみえるもので、国民の信頼、信任に応える議会制民主主義の本質論、理想主義をみる思い、決断だ。

 (6)英国のEU離脱は経済、貿易、国民生活で深刻な影響が懸念されていたが、国民の過半数(国民投票)が要求する民主主義の原則にもとづいて実現された。
 英国では現在もEUとの経済、貿易摩擦、停滞による物価高騰で国民生活に負担が大きく、政治的に問題解消に向かっていないといわれて、EU残留意思の強いスコットランド独立問題を抱えて世界が抱える民主主義の後退にも直面しているようにみえる。

 (7)英国は日本にとっても日本が推進するTPP参加に意欲を示して、自由で開かれたインド太平洋同盟にも関心が高く、また王室、皇室外交としても英王室と日本皇室は深い関係にあり、音楽文化でもビートルズ、ポール・マッカートニーなど日本独自の理解、関心の深さがあり、つながりが深い。

 (8)今回ジョンソン首相の辞任表明で英国議会制民主主義の理性、判断、決断をみせられて、日本政治としても民主主義の後退の現実とともに考えさせられるところだ

 

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