いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

プリズム社会。 prism society

2022-07-12 20:39:00 | 日記
 (1)今回の参院選は最終盤になって安倍元首相の応援演説中の暴漢による銃撃死亡事件が起きて、党派を超えてこういう社会でいいのかが問われた選挙となった。
 自民党が単独過半数を占めてメディアは「大勝」の見出しだが、増えた議席は改選前から8議席で勝つには勝ったが大勝というほどでもない。立憲は衆院選に続き議席を減らし、維新は6議席増で衆院選のように倍増といはいかずに勢いがあったとはいえない。
 選挙前の政党支持率をそのまま反映した選挙結果といえて、国民有権者の政権選挙でない参院選での政権与党へのより厳しい批判はみられなかった。それ以上にこういう社会でいいのかという危機感のあらわれになった。

 (2)投票率は前回19年の48.80%を上回る52.05%だった。有権者からは事件と選挙は別という声も聞かれたが、参院選の応援演説中の安倍元首相が銃撃死亡するという民主主義、言論の自由保障というながらく培(つちか)われて成熟してきた日本の政治、社会基盤の中で起きたショッキングな事件に対して、ある意味そういうことが起きないことが当たり前と思ってきた国民にそうではない「現実」もあると思い知らしめた、知らされた過去の日本社会の「暗部」が綿々と脈々と暗闇の中で受け継がれてきた「現実感」だ。

 (3)いつの時代でも若気の至りはあり、まわりが見えない直情的な血気盛んな正義感はあるがそれが社会のどこかで連綿と日常生活の中でうらみ、ねたみ、仮想現実として屈折したまま(prism society)過ごしてきた現実だ。

 (4)近代社会は多様性(diversity)の重要性、必要性が言われて、その主張に沿って自由で開放的な生き方が注目を集めて、だんだんと認められる社会思想が出てきて様々な意見も言えるし、行動にも移せる時代、社会になって「はけ口」は以前に比べてあると思い込んでいたが、そうでもないと思い知らされて一気に戦前、戦後の混乱、混迷の時代に引き戻された感がする。

 (5)冒頭事件の犯行者は当初うらみを持つ宗教団体の代表を狙ったが目的を達成できずに、関係すると思い込んだ安倍元首相を狙ったと供述しているというが、安倍元首相でなければならなかったのか、集票力のある宗教団体をバックボーンにする政治家は多くいて安倍元首相に向かった屈折した狙いについて全容解明することが国家、社会、生活の現状認識、理解には必要だ。
 

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