(1)小中学生を対象とした全国学力テスト結果の分析として、新聞を読むこととスマホの利用について比較検証の報道があった。各教科で新聞は「ほぼ毎日読む」ことが正答率が高く、読まない頻度が上がるにしたがって正答率が低下する傾向がみられるという。
(2)これが新聞の報道であるところが至上主義弊害の問題だが、それが初等教育にどういう意味があるのか、新聞を読むことが学歴向上につながる、つながっているとでもいうのか(その要素は否定しないが)、それを新聞が強調するということになれば知識、学問への興味、関心、取り組みが求められる初等教育での結果、点数至上主義(the marks-for-marks principle)を促進するようでどうなのか、おかしな話になる。
(3)初等教育低学年から新聞を読む、文字に接するというのは表現力、伝達力、理解力、活用力のコミュニケーションとしての語学力の育成に役立ち、社会で起きていること、考えていること、何が問題でどうすべきかなど幅広い知識、能力、判断、活用力の育成に役立つものであり、見出しにある「新聞を読むほど好成績」は新聞と教育の本質問題ではない。
(4)背景には「(新聞を)ほとんどまったく読まない」が小学校で72.7%、中学校で78.6%で年々増加している(報道)結果もある。最近新聞をテーマ、題材にした学校教育(NIE)が話題にもなり、新聞購読力の差で学力テストの成績が影響を受けているとすれば公正なテストといえるのか問題もある。
(5)スマホ利用ではSNS、動画サイトの社会的影響を考えて(実際にいじめによる被害も多くある)初等教育の生徒にはスマホ所持を禁止する方針の正当性裏付けのようにも見える。それよりも新聞、スマホを利用した知識欲、知る行動、活用力、応用力を高める新聞、スマホの効果影響を検討すべきもので、新聞の記事とはいえ都合のいい分析結果を示してその一面性をとらえて新聞の効力、有益性をことさらに強調するというのも、全国学力テスの結果だけに学力、学歴至上主義をみせつけられるようで新聞、スマホの多面性、多様性(安全確認も含めて)、比較力、価値観の本質論がおろそかになっていることは注意が必要だ。