(1)プーチン大統領もゼレンスキー大統領も来年で任期が終了して、大統領選が予定されている。両大統領がともに再出馬するのかわからないが、ウクライナ戦争の行方によっては大統領選そのものが実施できるのかもわからない。
(2)それこそ日本でも議論されている緊急事態事項で大統領選が実施できずに延期され、両大統領が大統領職を特例で継続することも考えられる。露の場合、国内政治事情からプーチン大統領の有力な対抗馬が潰されて大統領選に出てくることは考えづらく、プーチン大統領が望めばプーチン独裁体制が続く可能性は高いが、その時までにウクライナ戦争が続いているとすれば話は別だ。
(3)さすがに露国内でのプーチン大統領に対する批判、風当たりも強くなることは考えられて、これまでのよう絶対権力者としてのプーチン独裁体制に変化、兆しが出てくるのは考えられて、露国内政治事情も変化、様相を変える可能性は高い。
(4)ゼレンスキー大統領もウクライナ主権維持のため挙国一致で露との戦争指揮をしている中で、あえて大統領選で対抗馬が出てくることはこちらもむずかしく、ゼレンスキー大統領も引くわけにもいかずにゼレンスキー体制が続く可能性は高い。
(5)ただし、こちらも露のウクライナ軍事侵攻を止められずに国、インフラ、国民、生活に多大の損害、被害を出していることに国民感情が許さない批判感情はあり、大統領選となれば心情としてゼレンスキー挙国一致体制を全面支持ということにはならないだろう。
ウクライナ戦争は露にすべての非難、戦争責任があるといっても、ウクライナ戦争での国民の損害、被害、苦しみを考えるとそれを止めれなかったゼレンスキー大統領への風当たりも強くなる。
(6)来年大統領選を迎えてウクライナ戦争が続いているとすれば、軍事侵攻を進めたプーチン大統領もそれを止めれなかったゼレンスキー大統領もともに国内支持基盤は揺らぎ、国民からはこれまでのように信頼、支持を維持することはむずかしく、両大統領と国民の意識の距離は開き国内政治は挙国一致体制とはいかずに疑心暗鬼、ギクシャクしたものになることは考えられる。
(7)両大統領にとっては進むも退くのも苦労、苦心の選択肢のない道が待ち受けることになる。もはや両国の政治指導体制の交代での話し合い、交渉に期待するしかないウクライナ戦争の迷路(maze)だ。