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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

景気力学。 economic dynamics

2023-01-12 20:41:22 | 日記
 (1)年明けからいい話がないと書いてきたが、財界新年交礼会出席の経営者からは賃上げに前向き、意欲的な発言が続いてこれまでにない勢いをみせた。安倍元首相が政府内に政経労会議を設けて官邸主導で賃上げを要請して、4年連続の賃上げを実現してきたが高い目標達成というものではなく、当時の麻生財務相は過去最大規模となった企業の内部留保を賃上げに回すことに期待を示したこともあったが、経営者からは将来設備投資を見込んでの賃上げには積極的ということもなかった。

 (2)今年、ファーストリテイリング(ユニクロ経営)は国内の従業員の年収を40%引き上げ、給与を世界的な水準にする賃金制度を発表した。岸田首相は物価上昇率を上回る賃上げを要請しているが、これを大きく上回る賃上げとなる。
 グローバル企業としてこれまで日本より海外の従業員の賃金が高い傾向に格差是正をはかるものだ。

 (3)冒頭のように今年の経営者の賃上げ前向き、意欲的発言はこれまでになかったもので、岸田首相が防衛費増額の法人税上乗せ増税を発表した中でもIMF分析で日本の成長率が米英仏独を上回ると予想されて、国内では少子化が加速して有力な人材を確保したい経営者の思惑もみえる。

 (4)経営者からは賃上げをしない企業には人材は集まらない発言もあり、今年の大企業経営者からは賃上げに前向き、意欲的な発言が目を引く。これを日本の経済構造の多数を占める中小企業にも反映していくことが景気回復には必要で、大企業の責任であり今後の課題だ。

 (5)昨年末に日銀が実質利上げに踏み切って円高傾向に向かい、輸入原材料高騰にひと段落する期待に、金融緩和を維持してきた日銀黒田総裁が4月に退任を迎えて新総裁には金融緩和出口論が課題となることも経営者の賃上げで景況感を先取りしたい意向もあるのではないか。

 (6)ウクライナ戦争も2月で1年を経過しそろそろ露、ウクライナ双方で停戦に向けた機運にも期待したいところで、そうなれば国際経済の回復は勢いをつけることにもなる。コロナは依然感染力は持続しているが(死亡者が増加して警戒は怠れない)、国内では政府がインフルエンザ並みの感染症第5類とする検討に入るといわれて、企業活動、消費動向も上向く期待はある。

 (7)今年の日本の経営者を取り巻く経済環境は期待の揃った展開も考えられて、自らを鼓舞する意味からも今年が転機だとの経営者からの強きの、意欲的な賃上げ前向き、意欲的な発言が相次いでいると考える。

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