(1)通常国会が召集された。最も多様性のある世界が政治だ。日の当たるところがあれば、必ず日の当たらない置き去りにされるところはある。
今国会では防衛費増額、増税、こども家庭庁の子育て支援、賃上げに日が当たり、年金が実質目減りする高令者、中小企業の70%以上が賃上げしない、大型物価高の連続で生活に負担の大きい国民には日は当たらない。だから岸田内閣支持率は20%台という低迷だ。
(2)トランプ前大統領は大統領選で既成政治勢力に対抗するためこれを支持するエスタブリッシュメント(establishment)を批判して、その陰で日の当たらない白人マイノリティの共感、支持を掘り起こして当初は全国紙分析から泡沫候補として問題にされなかったハンディを覆して、前国務長官のヒラリー・クリントン候補を破って大統領に選ばれた。
(3)ヒラリー・クリントン候補優勢を伝え続けた全国紙の予想を覆して勝利し、その後トランプ前大統領は自らに都合の悪い全国紙からの情報はフェイクニュースとして悪者扱いした。桁違いのGDP1位の米経済大国で日が当たらずに恩恵に恵まれずに取り残されてきた白人マイノリティ層に光を当てたことは意味はあったが、政権運営で米国第一、保護主義を進めてこれまでバランス機能を果たしてきた国際社会の秩序、規律を壊して対立,対決時代を生んで、米中経済、軍事対決時代をつくりだして政治、経済、社会で不安、不信を増幅させた。
(4)トランプ前大統領はある意味これまで国際政治、社会が光を当てようとしてこなかった、避けてきた問題に持論で光を当てたことになり、しかしそれは米国だけが唯一の覇権国家であり米国の基準に世界を従わせようという米国第一、保護主義であり、米国のプレゼンスの光の当てどころを見誤った結果の大統領任期4年(1期)での交代劇だった。
(5)岸田首相も多様な政治の光の当てどころを見誤ると、失敗を招くということだ。世論調査では国民の多くは岸田首相の今年前期(G7広島サミット、通常国会終了後あたりか)での辞任を求めている。