(1)朝鮮半島を取り巻く軍事緊張が増している。韓国尹大統領が核開発を進める北朝鮮に対して米国の核戦力共同運用を議論して(自民党内でも検討の話がある)、これに北朝鮮金正恩総書記が戦術核兵器を大量生産する指示をしたといわれる。北朝鮮の戦闘機が複数韓国側領域に侵入したとの報道もあった。
日本は反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を決定した。先制攻撃ととられる恐れもある。朝鮮半島を二分する韓国と北朝鮮が核兵器依存で対峙するという軍事緊張が高まっている。
(2)新聞コラムでかってアインシュタイン博士が「将来の世界戦争において核兵器は必ず使用されるであろう」と哲学者、物理学者の「宣言」で述べて、平和的手段で紛争解決するよう勧告していることを紹介している。
(3)アインシュタインの「予言」(prophecy)は、昨年100年余の時を経て銀河系のブラックホールの存在が撮影されて実証された。物理学でない方程式のない世界平和を壊す予言が的中するのか、宣言の後段での平和的手段での紛争解決が的中することを願うばかりだ。
(4)世界の指導者はチェルノブイリ原発事故に福島第一原発事故の核物質の脅威を目の当たりにして、核兵器使用など現実問題としてとらえられないと思いたいところだが、ウクライナ戦争ではプーチン大統領がことあるごとに核攻撃について言及して威かくしている。露の核抑止部隊が演習している報道もある。
(5)ウクライナにはソ連時代のチェルノブイリ原発が原発事故の対策として核シェルターで覆われており、今も周辺立ち入り禁止措置がとられている。象徴的な場所での露の軍事侵攻でプーチン大統領が核攻撃の可能性について言及して威かくしていることに、見境のなさ、異常性を感じる。
(6)しかし露がウクライナ軍事侵攻を開始して1年近く経過してウクライナの反撃攻勢を受けているといわれて、仮に劣勢になることがあれば核攻撃もないとはいえないプーチン大統領の威信をかけた戦争だ。何が起きてもおかしくないのが戦争だ。
プーチン大統領が正気に戻ることがあるなら、隣国ウクライナへの核攻撃など自国への環境影響、被害の自滅行為でもあり、行えないものだ。
(7)朝鮮半島を二分する韓国、北朝鮮も核攻撃など両国の滅亡につながるものだけに(もちろん日本海を挟んだ日本への影響も測り知れない)、現実的な問題でないと悟る余裕は双方にまだあるはずだ。
(8)核兵器は必ず使用されるというアインシュタインの予言だが、世界戦争を想定したものであり、日本、中国の回避、解決に向けた役割も大きい。