(1)プロ野球の西武ライオンズ黄金期の広岡監督にはやはり広岡監督の後を引き継いでその後名監督といわれた森祇晶コーチがいたから、やはり強かった。プロ野球の常勝チームには名監督といわれる人のもとに必ず名コーチ、参謀がいた。
(2)巨人V9時代の川上監督は長嶋、王さんを主軸に周りにも名プレーヤーが多くいて、前述の広岡、森さんもV9チームにいたが、やはり牧野さんという名コーチ、参謀がいた。川上監督はスーパープレーヤーの長嶋、王さんを擁して誰がやってもV9は当然という論評に対して、誰がやっても3連覇ぐらいはできるかもしれないが9連覇となるとそうはいかない、やってみてくださいと名言を述べている。
(3)もちろんその後のプロ野球で9連覇の偉業は誰も、どこも成し遂げてはいない。米大リーグでもない世界的な記録(米大リーグはヤンキースの5連覇)だ。やはり名将、名監督でも優秀なスタッフ、参謀を持つことは大切だ。
(4)政治の世界でも最近では安倍第2次政権で安倍首相を官邸主導政治で支えた当時の菅官房長官の存在は大きかった。安倍第2次政権は7年半の戦後最長を記録したが、菅官房長官は安倍政治の功罪(罪の方が多かったが)織り交ぜた時局、政局での官僚支配政治を推進して、安倍退任後に首相に就任してこちらの方は首相としては決断力、政策力、調整力、実行力に乏しく、国民支持率も低く首相1期で退任することになる。
(5)政治は官邸主導の官僚支配政治ではなく、国民が選挙で選んで負託する議員による国会、政党政治が国民の意思、選択を反映する、実行するのが基本である。
岸田首相にはこれといった名参謀、側近はみあたらずに、国民支持率の長い低迷の中で安倍政治を引き継いで安倍氏国葬、政治とカネの一連の裏金問題、先陣を切っての派閥解消、規正法改正、政策活動費、政治団体寄付と税優遇問題で自ら先頭に立って公明、維新に迎合して局面打開に動いているが、党内からは「首相が動き回っちゃ駄目だ」と何でも首相任せに批判の声もあり、つまりは側近スタッフの調整力、まとめ不足で岸田首相の孤立感(isolation)だ。