(1)新聞一面には東証、史上最高値、3万9千円台の文字が躍る。外資企業の経済減退、規制強化の中国から日本への投資変更の影響効果によるものだが、岸田首相は「日本の経済が動いた」と自信をみせている。
(2)異常な株高現象が賃上げを押し上げているのは間違いなく、大企業の満額回答が続き、要求額にさらに上乗せ回答する企業もあり好調をみせているが、これが雇用の70%を占める中小企業の賃上げにもいくらか波及するとは考えられるがどこまで押し上げるのかわからず、仕事をする人、労働者には賃上げ効果はあっても人口の3分の1を占める65才以上には年金スライドはあっても将来への不安はあり、異常な株高は大企業、富裕層と中小企業、仕事をする人、労働者と高令者の二極化、格差社会をより鮮明にするものだ
(3)岸田首相は経済は動いたと言っているが、岸田首相が唱え、実現を目指す「成長と分配の好循環」とは違う展開であり、喜んでばかりはいられない。GDPでは独に抜かれて4位となり、近い将来にインドに抜かれるのは確実な状況で物価高はおさまらずに国民生活を圧迫して、消費行動を抑制している。
(4)日本は実体のない、ともなわない経済(economics without substance)効果が進行している状況でこちらも二極化経済といえる。バブル経済がはじけた時の反動は過去に経験しており、賃上げ効果を中小企業にも広く拡大させて、円安抑制による物価安定で成長と分配の好循環社会を実現しなければならない。
日銀もようやく大規模金融緩和、マイナス金利政策を見直すともいわれて、円安対策に乗り出し、株高効果による賃上げ持続の景気への腰折れの配慮は必要だ。
(5)政治の安定は求められて、国民の納税意識に逆行する政治家の倫理観、政治資金の透明性確保に向けて今国会で早く決着をつけて、国民が納得する法改正を進めることが政治、政府、与野党には求められる。
(6)「実体」のないのは日本の政治、経済に共通しているところで、政治はもとより経済も国内の効果ではなく外的要因(外資企業の投資増効果)の影響を受けており、中国からの風向きよってはどうにでもなるもので、浮かれてばかりはいられない。
(7)格差社会の解消に向けて、岸田政権が好調な大企業、富裕層に対して成長と分配の好循環の「効果的」な対策をとれるのかは重要だ。