トヨタ生産方式の手法の一つに「日本能率協会」が進める「TPM活動」(トータル・プロダクト・マネジメント)と云うものが有ります。工場における「多能工化」を進めるのが大きな目的ですが、その手法の中に「発生源対策」と「流出源」対策が有ります。別にTPMの名前を出さなくても「効率的な投資」の方法として既に活用していた内容なのですが・・・。
前置きが長くなりましたが「何を云わんとするか」ですが、この「発生源対策」と「流出源対策」をオーディオに当てはめて今まで「グレードアップ」を進めて来ました。
「発生源対策」とは「SPから出る音を良くする」事に置き換えています。「流出源対策」は「部屋で聴きやすい音に対策する」事と置き換えています。
どちらに主投資するかと云えば「発生源対策」です。「SPから出る音」をとことん追求していく事です。ここの品質が悪いと「流出源対策」でいくら検査の項目や検査の回数(部屋での測定・部屋への対策)をしても、「元々の品質」が悪いので「収率」が悪く、「悪循環」に陥ります。「無用の仕事を作り出す」だけです。
実際にこの観点で「SPから出る音」の品質アップ(音質アップ)を達成してきました。事務所の作りは「モルタル作り」の一般的な部屋で壁面も薄く「振動」に対しては非常に弱いです。自宅もほぼ似た様なもので「壁面は非常にプア」です。専務宅は4面硬い壁で「乱反射のキツイ部屋」です。
「基本的に部屋の性にしない」が私の理念です。このプアな事務所の部屋で120dBサウンドをやっても「共振・共鳴」はほとんどしません。壁面に触れると大きく振動しています。SPから放射される「音圧」に素直に反応(振幅)しています。また専務宅の4面コンクリート壁の部屋でも「乱反射が少ない」サウンドを得ています。
「伝送ロス」対策前やが未完の時は「壁が共鳴・共振」していますが、その前にSPから放射されるサウンドは「耳をつんざく」様なサウンドでした。「伝送ロス」対策を進めるにつれて柔らかくしなやかで音の粒子がより細かく繊細で、音が面で出てくるようになり、スケール感も大きくなりました。おかげで部屋への対策(流出源対策)はほぼ不要とまで云えるようになりました。遮音はまた別の問題で、隣家に漏れる音は漏れないようにする対策が必要です。
部屋の広さはSPにも依りますがJBL「オリンパス」(38cmウーハー+375・・・)の組み合わせで8畳間で十分使えます。
SPから「咆哮」や「ピーキーさ」を感じられるならまだ「SPから出る音」(発生源対策)が不十分と経験から判断します。
悪い点は「元から絶たなきゃダメ」が「発生源対策」です。出た音を工夫してなんとか聴けるようにする事が「流出源対策」だと思いますが、客観的に捉えてどちらに重点を置くかは自明の理です。後でいくら手を加えても「品質アップ」(音質アップ)は出来ないのです。