アメリカの黄金期と云えば1950年代と云われています。この時代にトーキーやJAZZなどが全盛期を迎えていた様だと思います。
日本のオーディオに関して言えば、1960年代は「黎明期」でアメリカで作られたものをそのまま輸入しないと高級機器は手に入らなかった。(自作を除けば)マランツの#2、#5、#7、#9、#10B。マッキントッシュのMX110、C22、MC240、MC275等のアンプ群やJBLやアルテックのSP達。
1970年代になってようやくオーディオの普及が日本で始まった様に思う。日本製のTr型アンプが世界を席巻して行った時代でした。そして1980年代は日本のオーディオの全盛期。
1960年代を知っている方達は現在70才前後の人たちであり(当時20歳~30歳台)、1970年代のオーディオに薫陶を受けた方達は現在60歳前後(当時20歳前後)になっています。メーカー製の機器オンリーに成り始めた1980年代に当たるのは現在50才前後の方達。
10年単位ぐらいでオーディオの世代が変わっていると思います。薫陶を受けた対象の機器達も違います。SPの例を取ると1960年代の方達はJBLのハーツフィールドやパラゴン、ALTEC A5、パトリシアン、ハートレー、タンノイオートグラフ等であり、1970年代の方達はJBLオリンパスやランサーシリーズ、ALTEC A7、タンノイ・・・とメーカー製そのままでは上手く鳴ってくれない時代のフラッグシップ機達の時代でした。
これに対して1980年代に薫陶を受けた方達は、オーディオもメーカーが力を付けて、初めから割と高いレベルの再生が出来た様に思います。その代わり、SPでは大型SPが少なくなって云った様に思います。
現在の若い方達は、ipod等のハンディタイプの機器の性能が上がっている事と、経済事情の為に大きなシステムを組む方が少なくなっていると思います。SPも段々小型化して行っている様で何だかさびしくなります。
オーディオの歴史の中でどの時代に薫陶を受けたかで「あこがれ」の機器達が違います。でも「良いサウンド」に時代は関係ありません。良い音楽を良い音質で聴きたいと願うのはいつの時代になっても変わらない事だと思います。