Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

ケーブルの線径について

2008年12月24日 | ピュアオーディオ

ケーブル とりわけSPケーブルに付いて考えて見たいと思います。

長くオーディオをやって来ている方ほど「細いケーブル」に固執する方が多い様に思います。太すぎるケーブルを嫌う傾向が有るようです。

こう云う方達は一通り「ケーブルの泥沼」をくぐっていらっしゃる様にお話をうかがう限り判断します。

私のSPケーブルの実験では「通常使われているSPケーブルの線径は”規格外”の領域」で有ったと判断しています。

シリウスケーブルのSPケーブル SCS-31→SCS-32→SCS-33→SCS-34→SCS-Xと線径を太くするに従い「情報量」が増えています。まだ更に太くしたいと思案しています。・・・何故なら「生演奏」に近づけるからです。

物事を「減点方式」で考える方が多い様に思います。私もサラリーマン時代、上司や会社の「減点方式」に手を焼きました。付加価値をつけての「プラス指向」が無いのですね。

「減点方式」を太いSPケーブルに使いますと「取り回し」で必ず大きな「減点」となります。従来の線径でメーカーや材質がチョッと変わったぐらいのケーブル比較では「ドングリの背比べ」です。「規格外」の領域で比較をしても「差」は感じないでしょう。だからだんだんと「細い線」にトレンドして行くのです。

これは「出会い」が悪かったとしか言いようが有りません。

本当に楽しむべきは「良いサウンドで良い音楽を・・・」のはずが、「安くて良かろう」に代わって行っている点です。「減点方式」の頭の中で、すべてを判ったつもりの方に多い「誤った判断」だと思います。

「良い音楽を良いサウンドで聴いて感動しましょう」と私は申し上げたい。その為には従来の常識を打ち破る発想・経験を積むことをお勧めします。


管球アンプとトランジスターアンプの共存

2008年12月23日 | ピュアオーディオ

200810153_4 事務所のメインのシステムは写真に有るようにJBL「オリンパス」を基本に拡張したシステムです。基本的に3ウェイマルチアンプドライブです。

SPユニットは低域にLE15A(1発)、中域に#375+HL88(蜂の巣)、高域にLE85+2305(小型蜂の巣)+2405+デッカリボン+ビクターリボンの高域に4個のユニットを使っているのが特徴です。

来月には中音にハイルドライバーが加わる事になり、低域にもテレフンケンが加わる予定です。すべての帯域を複数のユニットで再生するようにして行きたいと計画しています。

なぜ複数のユニットが必要か?は、一つのユニットではすべての「音」を出し切れないと判断したからに他なりません。基本ラインはJBLのユニット、基本の音色・音の出方もJBLを中心にしています。

200811251 このSP群をドライブするアンプは、低域にアキュフェーズM-100、中域に6L6Gpp、高域にKT66(6L6G)シングルアンプです。

なぜ?とお思いの方もいるでしょう。この状態で「音のつながり・音色の統一」が出来ているのです。管球アンプとトランジスターアンプでデバイスが異なりますので、当然色々な面で違いはありましょうが「良いとこ取り」と申しましょうか、全然違和感は有りません。

低域には「瞬発力」と「パワー」、「スケール感」を求めるとTr型アンプが安心して使えます。中・高域にはパワーは要りませんので質の高いアンプが欲しくなります。A20Vではもう限界でした。

低域はコーン型、中高域はホーン型とリボン型と云うユニット構成も相当アンプ選びに効いています。

SPユニットに合わせたアンプ構成とお考えいただければ良いと思います。問題はサウンドに「違和感」の無い事です。

普通のTr型アンプや管球アンプでは違和感の出る可能性が高いのですが、管球アンプを「Trail仕様」にしていますので、SN比や特性がTr型アンプを上回るスペックを聴感上は出しています。Tr型と対等以上の管球アンプに仕上げて使っているのです。

その結果、音色や音のつながりは「ケーブル」の影響で支配されています。機器の違いよりケーブルの違いによる違和感の方が大きいのです。

このシステムの場合、電源ケーブル、インコネケーブル、SPケーブルとすべてを「ルシファー」にして統一していますので違和感が有りません。


ライントランス ST-5 を使うと・・・

2008年12月23日 | ピュアオーディオ

St511 久しぶりにライントランス ST-5 の有り・なし のサウンドを確認しましたが、ないと「無機的・平面的」なサウンドがします。余分な機器は出来るだけ使いたくないのですが、こればかりはCD再生には必需品です。

ST-5 を使ったサウンドは

1)音に立体感が出て来て音の見通しが良くなる・・・2次元の世界が3次元の世界に変わる。

2)中音が充実して非常に聴き易くなる

3)情報量が上がる・・・聴こえなかった音が出てくる。

4)余分な「挟みモノ」の機器で有りながらデメリットをほとんど感じない。

内部に使っているトランスは2Kg/個有るものを2個(L・R各1個)使っていますので、見た目とは裏腹でズシリと重量を感じます。

トランス自体はウエスタン(WE)の古いトランスで「純鉄コア」の仕様です。探してもそう簡単に手に入る型番では有りません。

WEのライントランスで有名なモノに「111C」と云うものを皆さん使って有りますが、111Cは「パーマロイコア」で「純鉄コア」を聴いてしまうと「なんて薄っぺらい音」なんだと気付かされます。

姿・形は111Cとそっくりですが中身はぜんぜん別物で、ST-5 に使っているトランスはグレードが違います。

他に内部配線は「ルシファー仕様」、XLRソケットはフルテックの最高級ロジウム仕様のパーツを使っています。

ST-5 を使いだして半年以上経ちますとCDでも「自然な」サウンドを堪能できます。特にヴォーカルとヴァイオリンの音色が非常に聴き易くなります。


スチューダー A727 でハーベスをドライブ

2008年12月22日 | ピュアオーディオ

Habes1 ハーベス モニターHL を最新のTrail仕様管球アンプとスチュウダー A727のコンビでドライブして見ました。

ハーベスは20㎝プラスティックコーン型とドーム型の2ウェイですが、内部配線を「ルシファー化」しています。

松尾明トリオの「ベサメ・ムーチョ」をかけて見ますと、JBLと遜色ないシンバルの音が聴こえます。

Habes2 いつも使っているSD-9200とは力感とシンバルの響きが違います。このSPでこんなサウンドが出て来てくれるとは思いもしませんでした。CDPの性能を上げると更に良くなるのかも知れませんが、価格バランスからスチューダーは使えません。

Habes4 今日はA727のメンテををしましたのでたまたま事務所に持って来ました。自宅に据えておかないとSD-9500単体では音楽が楽しめません。


ハイルドライバーの発注

2008年12月22日 | ピュアオーディオ

Hyl1 先週からebayでハイルドライバーを2セット半落札していただきました。(片ch分は有るので半分が有ります)

これで3セット入手する事になります。現在の状況では来年の上旬には入手できると予想しています。

このハイルドライバーは推奨クロスは650Hzですが、耐入力が230Wも有るので500Hzから使えると思い実験しましたら、問題なく使えます。

Hyl2 このハイルドライバーをJBL#375とパラレルで使います。#375の「オンの音」とハイルドライバーの「オフの音」が組み合わさって「豊かなサウンド」が出てきます。またパラレルで使う事で#375の「前に吹っ飛んで来る音」の音圧が下がり狭い部屋でも「うるささ」がほとんど感じなくなります。

ハイルドライバーは基本的に「無指向性」ですので、定位は#375が支配します。実際に組み合わせてそのサウンドを確認していますので、待ちきれない心境です。

前回の実験では「SP間の音の密度が極端に濃く、音の描写力が驚きのレベル」でした。 「SPの存在が消えました」ね。シンバルのブレる動きと震える様が「生演奏」を彷彿とさせます。

現在、ハイルドライバーを使わなくても「SPの存在が消えている」と来社されるお客様が良く言われますが、自分ではまだまだと思っています。しかし、ハイルドライバーを使った時のサウンドは「まさしくSPが消えました」ね。


フルテック オーディオグレードヒューズの追加発注

2008年12月22日 | ピュアオーディオ

Furutech_fuse_big1 先週、フルテック オーディオグレードヒューズを取り付けて音質確認をしていましたが、馴染んで来たので「音色の美しさ・うるおい・余韻の美しさ」が感じられるようになりました。

周波数レンジのワイドさと情報のち密さで金メッキタイプの〇〇〇・ラボのヒューズよりグレードが一段上と判断します。電源系のグレードアップでは「音が見える」効果を出してくれます。

前回管球パワーアンプ用に5本購入しましたが、今回はプリアンプ、CDP用に10本を追加発注いたしました。それでも手持ちのアンプの交換用にはあと5本必要です。とりあえず一度に交換する本数が多いと混乱しますので、残りは次回に致します。(残りは眠っているアンプになります)

今回はすべてがΦ5×20mmのサイズになります。スチューダー730や727、プリアンプのC40やC290×2台、F25等に取り付ける予定です。


JBLのサウンドの変遷

2008年12月21日 | ピュアオーディオ

現在の「DD66000(エヴェレスト)」や「S9800SE」等のJBLのサウンドと、1970年代のプロ用ユニットの「スタジオモニターシリーズ」(#4320~4343~4350等)、それ以前の「コンシュマーユニット」時代(パラゴン・オリンパスやランサーシリーズ等)のサウンドとは随分とイメージの違うサウンドがしている様に思う。まったくの「別物」と呼んでもいいのかも知れない。

私は長い間#4343を使ってきたが、オリンパスやSP-707Jを購入するにおよんで4343を手放しました。

音には「オンの音」と「オフの音」が有ると思っていますが、コンシュマーユニットから「オフの音」を削り取ったのが「プロ用ユニット」と判断しています。ものの見事に「雰囲気音」が消えています。「音数」が全く違うんですね。

現在のJBLのサウンドは更に「プロ用ユニット」から「エネルギー感」を絞り取ったようなサウンドで、「聴き易く」はなったが「JBLのオリジナリティ」が相当薄くなった様に感じます。

一言で「JBLサウンド」と云ってもその時代で大きく変わっていますので、各人の認識をしっかり持っていないと、混同しますと話が通じません。

私はJBLの古い時代のユニットが素晴らしいと思っています。ウーハーもドライバーもシリアルNoの若いもの(古いもの)に、試聴する度交換しています。

JBLも企業で有る以上「コストダウン」等の企業努力をしなければならない訳で、HL88やHL90等は鋳型で手作業で作っていたものが、プラスチック成形に変わり・・・と時代に合わせて変わっているんだと思います。当然そこにはユーザーの嗜好やニーズの変化も有ります。

ただ「音質追及」をして行きますとその時代の「SPの鳴らしのテクニック」等が未熟の為「鳴らし切れていなかった」と思っています。

個人的にはJBLの古いユニットに固執している訳ではなくて「良い音楽を良い音で聴きたい」と願うだけです。ただ普通の方と違うのは「SPを作り上げるスキル」を持っている事です。自分の目指すサウンドイメージも有りますが、やって見てはじめて知る世界も有ります。その経験をたくさんする事によってさらにサウンドイメージが正確に拡大していきます。


SP-LE8Tのサウンド

2008年12月21日 | ピュアオーディオ

Le8t2_2  昨日、一昨日と自宅でJBLの大型システムをお使いのお客様が見えられ、当方のSP-LE8T(ルシファー仕様)のサウンドを聴いていただきました。

「このサウンドがこのLE8Tから出ているとは信じられない!!!」と同じお言葉を頂戴しました。

Le8t3 「38cmクラスのSPのサウンドだ!!」とお二人ともおっしゃっていました。先述した松尾明トリオの「Elinbari Express」をお聞かせすると、非常にバランスの良い音で、低音の量感は38cmクラス、シンバルの音色や響きはコンプレッションドライバーと聴き間違うほど。音のつながりは「ふくいく」としています。

この低域の量感の秘密は「サウンドトレール STM-22」に有ります。写真の様なセッティングで「深々とした低音」が出てきます。このSTM-22を購入されたお客様は皆さんこの「響きのよさと量感」にまず驚かれています。

次に、SP内配線もSPケーブルもSCS-34(ルシファー)を使っています。38cmクラスのSPはどうしても大きな箱が必要になりますが、このSP-LE8Tは中型ブックシェルフ型ですので一般家庭でも十分使えるサイズです。

Le8t1_2 もう一つこだわりが有ります。LE8Tは初期型16Ω仕様です。後期のLE8THよりはるかに「音数」が多いのです。

もう一つこの音の秘密は「Trail仕様管球アンプ」の実力です。音のキレ・音数・SN感と応答性の速さ等一般の50万円クラスのアンプでは太刀打ちできない「音質」です。

自分でも納得のSP-LE8Tのサウンドです。


おすすめCD 松尾明トリオ「Besame Mucho」

2008年12月21日 | ピュアオーディオ

51v2unetkfl_sl500_aa240_1 寺島Jazzは録音が良くて演奏が良くてお気に入りのCDが増えています。

今日は松尾明トリオの新譜「ベサメ・ムーチョ」を紹介します。

このCDの中で一番気に入っているのは4曲目の「Besame Mucho」と5曲目の「Elinbari Express」。

特に、「Elinbari Express」のシンバルワークは目の前でシンバルが打ち鳴らされているようでしかもリズミックで「試聴用」に使いたくなります。

このシンバルの「音」のキレ・ヌケ、響きが「実在感」を出して鳴るかがシステムの出来具合を測る物差しになると思います。一切の濁りが無く「見通し」が良く、シンバルの大きさや「ブレている」処まで見えるような領域までRCA箱システムやオリンパスシステムは来ています。


CDの中の情報を出来る限り引き出すと云う事

2008年12月20日 | ピュアオーディオ

SPシステムを色々組んで「音質改善」を続けて思う事は「メーカー製SPでは情報量不足」の結論に至りました。1個のSPユニットからは「すべての情報」が取り出せないと思っています。


「CDの中の情報をすべて引き出して再生する」を目指して、SPユニットやアンプ、ケーブルの組み合わせをして来ましたが、最重要なのは「SPシステム」と「ケーブル」ですね。アンプやCDPは中級や上級程度で良いです。


メーカー製で情報量の多い機種としては2インチコンプレッションドライバーを使ったシステムでしょう。この2インチドライバーでも「すべての情報」を出し切れていない。


自分のSPシステムはJBLのオリンパスを3ウェイマルチアンプ駆動しています。低域はLE15A 1発です。中域は#375+HL88ですが来月にはハイルドライバーとパラレル駆動の予定です。高域は既に4個のユニットで武装しています。(175DLH+#2405+デッカ・ビクターリボン)


先日、中音にハイルドライバーを組み合わせたサウンドを体験しています。#375とパラレルにしますと「音数」が数段増えてでてきます。目前で演奏している雰囲気です。更にケーブルを良くしようとして1個を壊してしまったので「中断」していますが「サウンドは耳にこびりついて」離れません。早速次のハイルドライバーを2セット発注しています。


低音も同じようにパラレル駆動の実験を済ませています。使うウーハーは20cmクラスで十分です。定位を安定させるために置き場所が重要です。低域の補完する帯域は100Hzから500Hzですので20cmでも十分です。ロクハンのフルレンジユニットでも大丈夫と思います。


通常メーカー製のSP達は2ウェイや3ウェイになっています。低音・中高音や低音・中音・高音とわかれていますね。この帯域を1個のユニットで受け持っているのが大半です。ここに「落とし穴」が有ります。違う方式のユニットをパラレルに鳴らすと「体験」出来るでしょう。


サウンドを追及して来ると「オンの音」(前に出てくる音や芯になる音)と「オフの音」(間接音・倍音等)が有る事に気付きます。


1個のユニットではこの「オンの音」か「オフの音」のどちらかを重点的に再生しているのです。大半は「オンの音」です。(例えばJBLやアルテックはオンの音、クォードESLはオフの音だと思っています)

メーカーがさも誇らしげに数百万、数千万円のSPを出してきますが「不完全極まりない」SP達なのです。


ケーブルにも同じ事が云えます。この「オンの音」を得意とするケーブルと「オフの音」を得意とするケーブルを1本のケーブルに組み合わせて使う事が重要です。情報伝送の段階で「欠落」させてはどうしようも有りません。