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写真説明: 菊 (空堀川沿いにて) ●★ 写真の上でクリックすると拡大写真になります ★● |
月、水、金曜日の16時半になると、入浴介護の女性ヘルパーさんがやって来る
あまり世間との付き合いも少なくなった妻は、このヘルパーさんたちに会うのを楽しみにしている
短い時間だが、妻はかなり勝手にいろいろとヘルパーさんと会話しているようだ
だが私は浴室でどのように妻が入浴しているかは見たことはなく、全てはヘルパーさん任せにしている
入浴後、戻ってくると必ず 「ああ、サッパリした」 と笑顔で私に言うからお風呂は有難いものである
入浴するのは週三日だが、その他の日は、同じ時刻に必ず浴室で妻にシャワーしている
それは特に ”下半身だけは清潔に” と私が考えた毎日の目標達成行為でもある
以下はそんなシャワーを始めた頃のお話です
妻を立たせて、私は前屈みになって妻の足を洗っていた
妻から見れば私の頭の天辺は真下に見えるはずだ
その時妻が 「お父さん、ずいぶん頭が禿
「えっ、そんなに禿げているの?」 と、私は少し心配げに言葉を返すと
「もう、上の方に毛がないよ」 と、またショックな言い方だった
「薬でも付けたら生
「もう年寄りだから生えてこないだろうね」 と、冷たい言い方だった
実は私は毛が薄いとは思っていたのだが、天辺が禿げているとは思ってもいなかった
洗面所の鏡の前で、手鏡を使って見ると、妻の言う通りでかなり薄くなっていた
それからもう何回もシャワーしたが、その度ごとに私の禿げた天辺は妻のやり玉に挙がっている
だがそれ以上の言い方はしないので、薄くなった面積は増えていないと私は確信している
そんな妻の他愛の無い言い方の中に、何か憎めないユーモラスを感じている
つくづく思うのはシャワーや入浴の有難さだ
毎日のようにシャワーや入浴する日本人は世界一の清潔な民族だと思っている
特に妻を介護していると、その有難さは言いようの無い感謝の気持ちに通じている