続く。
山神・大山祇神が八岐大蛇の可能性はあると思います。でも蛇神だからって孫娘を生贄にするのって流石におかしいです。それよりも八岐大蛇はでっち上げで、出雲の地主神だった手名稚命・足名稚命をを倒し、出雲を征服し、征服者の特権で王女の奇稲田姫を嫁にしたと考えた方が辻褄が合うのではないでしょうか。
もうお気付きでしょうけど、この物語は「8」がキーワードです。八岐大蛇、スサノオ命と奇稲田姫が住んだ八重垣、手名稚命と手名稚命の八人姉妹、そして足名稚命はスサノオ命に須賀の主に任命され稲田宮主須賀之八耳神の名を与えられています。
更に手長足長で考えれば、足長は手長をおんぶして貝を拾う。その姿は土蜘蛛です。蜘蛛の八本足。手長足長も「8」がキーワードです。
そして手名稚命・足名稚命の名の意味は「手が無い蛇、足が無い蛇」。蛇は手足が無いのに何故態々手足が無いと言う意味なのか。
八岐大蛇は頭が八つ、尻尾が八つ。股で考える頭の首の股は七つ。尻尾の股の七つです。八股ではないのです。これは変です。
手名稚命・足名稚命を股で考えると、手の指の股は八つ。足の指の股も八つ。私、思うのですが、それを暗に判らせる為に手名稚命・足名稚命と古事記の作者が名付けたのではないでしょうか。
つまり八岐大蛇の正体は手名稚命・足名稚命だと私は思うのです。少々苦しいですけど。
スサノオ命は一般的には国津神だとされています。出雲の始祖神ですからね。でも実際は大陸から渡って来た神で日本を侵略したとは言いませんが、支配した神だと思います。八岐大蛇の話はどう考えても地主神との戦いが有った事を意味してます。
そして支配される側である手名稚命・足名稚命の娘・奇稲田姫をスサノオ命は安定的に支配する為に嫁として迎え、その父親である足名稚命に支配される側の代表者として認めた。円満に解決したとアピールしているように思えます。
手名稚命・足名稚命と八岐大蛇が同神だとした場合、そのまた正体は誰なのか。調べました。そして判りましたよ正体が。確信は持てませんけど。
実は秩父では手長を祀った祠が35社ほど存在するそうです。壱岐島の天手長男神社から分霊したと伝わっています。そして祀られて稲手長は猿田彦尊とされているのです。何故、手長が猿田彦尊なのか。
私は猿は手が長いから「手長=猿田彦尊」なのかと最初は考えたんですけど違ってました。手長は役職名だったのです。手長と呼ばれる人が平安時代まで存在した。それはどう言う事なのか。
手長は従者、あるいは給仕をする者達です。君主に仕える給仕の者は汚らわしい存在です。だから給仕の時に出来るだけ君主に汚れた体を近付けずに給仕をします。つまり出来るだけ体を遠ざけ給仕をする為に腕をピンと延ばして君主に捧げたりする。その姿から「手長」と呼ばれる様になったのです。
続く。