続きです。
さて、手術は無事成功。トータル1か月近い入院だったが、鼻呼吸が出来る喜びと言ったらどうだ。こんなに楽になるなんて。
左の鼻の穴が9割、右は7割塞がっていたそうだが、10割とは言えないだろうけど、普通に鼻呼吸出来るのは本当に楽。手術は物凄く痛かったが、やって良かった。
問題は糖尿病だ。手術をした総合病院の内科の先生は診断書を書いてくれた。薬が強過ぎると。でも、その診断書を糖尿病の主治医に渡すのは辛い。
「あんたのせいでとんでもない薬を飲んでいたのだぞ」と言いたい部分もある。診断書を書いてくれた医師も書きずらかったと言う。そりゃそうだ、10年間の糖尿病治療の間違いを指摘しているのだから。
総合業院の内科医は独立して、仙台の中心部のビルで開業すると言う。それなら、この医師に糖尿病の治療をお願いした方が良いのでは。これも縁だし。
以前の医師には何度か試験薬での治療を持ちかけられていた。
「動物実験は成功している。人間で効果があるのか、副作用が出るのか調べたい。治療費はタダだ。その上、1週間で1万円の報酬を出す」と言う。
私の父も糖尿病。糖尿病の家系。そのサンプルは貴重らしい。だから食い下がって来た。「人助けなんだよ」っと言って。
人助け?
違うだろ、商売だろ。私の検体で医薬品メーカーから高額な協力費が出る筈だ。薬代がタダになろうが、1週間で1万円くれようが、そんな危険な事が出来るか。
「副作用が出たら全力で治す」と言う。よく言うよ。アンタらの高額な協力費の為にモルモットになるなんて御免被る。人の身体を何だと思っているのだ。私の糖尿病も誤診ていたくせに。アンタの言う通りにしていたら、一生インシュリン注射しなければならなかったのだぞ。
それで私は怒っていたのだ。その上、上から目線で私の注射恐怖症を嘲笑していた。私の苦労も知らずに。
そんなヤブ医者にはもうかかれない。ここで手を切るべきだ。
私は開業する総合病院の医師のクリニックに通院する事にした。
病気は医師次第。この肥満体の医師に頼ろう。
続く。