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「老い」ということばの重さを最近ひしひしと感じています・・・私は、姉二人の3人兄妹なのです
要するに、末っ子の長男というやつで、本来ならば私が郷里の母の面倒を見るつもりでしたが、
諸事情により、すぐ上の姉が母と暮らしている訳です・・・
その姉は、シングルであり・・・昨年、二度の肺がんの手術をし、体力的にも精神的にも限界のようです
しかしながら、私夫婦と長姉は、どうしても母と次姉の間に入れないのが現状です・・・
だから、今は傍から見守ることしか出来ません・・・皆で話し合いができたらもう少し解決していくのでしょうが・・・
今朝の新聞を見ていて、同じ様にきょうだい3人で父親の介護をやってらっしゃるエッセイストの女性の話が載っていました。
あまりにも私達の環境と近い感じがしましたので、少々長いですが、その全文を紹介してみようと思います。
~以下、4月14日読売新聞朝刊より抜粋~
● エッセイスト岸本洋子さんのケアノート |
父を支え 教わる「老い」
兄と姉、おいも協力
「食べない」が発端
「最近、お昼に届けてもらったお弁当を、食べていないことがあるんだ」。2008年夏、近県で暮らす父と兄を訪ねたときのこと。兄が、私にそう打ち明けたのが始まりでした。兄が仕事をしている日中は、父は家で一人。兄は配食サービスを頼んでいました。なぜ食べてくれないのだろう、。兄は心配して昼休みに職場から一度自宅へ戻るようになり、姉も東京都内から頻繁に通って父に付き添うようになりました。
どうやら目の前に弁当があっても、誰かに勧められないと食べるという行動に結びつかないようでした。いよいよそういう時期が来たのか、私ももっと父に関わらなければと腹をくくりました。
- 父はやさしい性格で、感謝の気持ちを「ありがとう」と口に出して伝えられる人だった。だが、10年ほど前から、物忘れなど違和感を覚える言動も見られた。
率直に話し合う
姉と同様、私も都内在住。父も東京に転居すれば通うのに便利だと考えた私は、きょうだいには十分相談せず、自宅近くにマンションを見つけ購入に踏み切りました。父の住まいですからまず父に「こんな家があるけど、住んでみない?」と話してみましたが、話はなかなか進みません。父の入居が決まらないまましばらく過ぎました。マンションの窓を見上げる度に、「大きな買い物だったのに失敗だったかも」と暗い気持ちになりました。数か月後、姉から「お兄さんには話が伝わっていないみたいよ」と聞き、改めてきょうだい3人で相談。父とも話した上で、父は09年5月に東京へ転居しました。以後、きょうだい3人で率直に話そうという事になりました。
- 父は足腰が弱くなり、段差がない所でも転倒するなど、周囲の見守りがかかせない状態になっていた。きょうだい3人のほか、姉の20代の息子2人も加わり、計5人で協力して介護することになった。
食事を作って父に食べさせたり、排せつを解除したり、洗濯や掃除をしたりといったことは全員がやっています。父を散歩に連れて行ったり、室内で軽い運動をさせたりすることもあります。
感情は鏡のよう
実は初めは悩むことも多かった。寝る前にトイレへ促しても「今はいい」と言い。横になるとトイレへ起き出す。それを介助して寝ようとすると、今度はテレビが大音声で聞こえてくる。眠れないこともありました。世の中には大変な思いをしながら介護している方が多いと、わかっています。私の悩みは小さなこと。とはいえ、小さなことも積み重なるといらだちが募ってきます。
そこで、認知症についての本を探して読みました。違和感を覚える父の言動も、体の仕組みや変化のためだと理解出来ると、受け止めやすくなりました。不思議なもので、私の心持が変わると、鏡に映したように父も落ち着き、くつろいだ様子で過ごすようになりました。
介護保険サービスを利用し始めたのは昨年夏からです。父の要介護度は「3」。週2回、3時間のデイサービスに通っていますが、今のところは毎日の介護はできるだけ家族中心で続けるという方針で、きょうだい一致しています。
- 介護が始まって4年。静かに老いていく父親を支える日々を通し、老いについて深く考えるようになった。
私はシングルなので、将来、今の父に対して私達がしているような細やかな介護をしてくれる人はいません。寝たきり予防のため、ジムで筋肉も鍛えています。また、年金や住宅ローンなど、必要な事を少しずつ書き始めました。
老いとはどんなものか、父から教えてもらっているようです。父と過ごせる時間は決して長くはない。だからこそ父に寄り添う一日一日を大切に過ごしたいと思っています。
(聞き手・福士由圭子)