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30年近く前になりますか・・・
私のかつての得意先の方のご家庭に自閉症の男児がいました・・・
確か・・・我が娘と同い年やったと思います・・・
一度、仕事のことで、ご家庭を訪問したことがありました・・・
その男児は私の腕を痛いくらいにつねる様な感じで握り引っ張るんですが・・・
彼が何をしたいのか・・・何を望んでいるのか解りませんでした
すると奥さんが、冷蔵庫の扉を開け、何かを取り出したんです・・・
それが何やったのか思い出せないですが・・・彼の食べたいものやったんですね
その間、言葉は「あ~」とか「う~」と発してたんです・・・が、
その時、私はどう対応したらいいのかすら解らないまま
「何がしたいねん」と言うのが精いっぱいやった記憶があります。
その後、その方との取引も無くなり疎遠になってしまったため、
彼がどうなったのか知るすべもありませんが、
社会の一員として世の中に出ていることを願っています。
今朝は、自閉症スペクトラム障害についての記事を転載してみようと思います。
~以下、11月11日読売新聞朝刊より抜粋~
医療ルネサンス
子どもの発達障害
物から人へ興味移り成長
関東地方に住む3歳の男児は、昨年秋、自宅近くの児童精神科クリニックで自閉症スペクトラム障害と診断された。
言葉がほとんど出ず、人よりも物に興味を示す。母親の呼びかけに答えず、顔も見ない。保育園では友達の輪に入らず、落ち着かない行動が目立っていた。これらは、同障害の重いタイプの典型的な行動だった。
このクリニックの医師は、最後に父母にこう言った。「あとはご家庭で頑張ってみてください」
これから男児にどう対応すればいいのか、何も教えてくれなかった。診断だけして放置するこのような医師の対応に、苦しむ父母は多い。母親は発達障害の本を読みあさり、昨年暮れ、なかじまクリニック(埼玉県戸田市)の平岩幹男さんの発達外来を受診した。
それから1年、男児は急成長した。今年10月半ばの外来時には「靴を脱いで」などの母親の指示に、きちんと対応できるようになっていた。「今日は保育園で何をしたの」との質問に、「ブロックした」と答えるなど、回想した上での会話も出来るようになった。
この1年で平岩さんが試みたのは、おもちゃなどの物にばかり向く男児の興味を、人に振り向けることだった。母子は、平岩さんが紹介した発達障害の療法士のもとにも週3回通い、専門的な療育を受けた。
簡単な対話の練習を積み重ね、できたらすぐにほめて適切な言動を伸ばす。男児は、家族に良いことをしてもらったら必ず目を見て「ありがとう」という練習から始めた。お礼を言われた時に「どういたしまして」と返す練習や、前をと遮る人に「どいて」と言う練習なども家で繰り返した。
平岩さんは「人に関心が向くようになると、会話や行動をまねて言葉がどんどん増えていく」と話す。
1人でトイレに行く練習は、最初はうまくいかなかった。男児が居間から出ないため、母親が手を引いてトイレに連れて行くと、それを母親との遊びのように感じた男児は、次回もまた手を引いてもらおうと、ますますトイレに行かなくなった。平岩さんらの助言で今のドアを閉めて放っておくと、男児は諦めてトイレに行くようになった。
平岩さんの外来は、重い自閉症スペクトラム障害の子供が多いが、3、4歳からの対応で、小学校入学時には7割が通常学級に通えるようになるという。
「就学前の段階で、適切に対応すれば子供は大きく伸びる。諦めず、療育の専門家に相談してほしい」と平岩さんは話す。