人生には、笑いが必要不可欠だと思う。笑いは、潤いであり、慰めであり、安らぎでもある。でも、他人を笑わせるという作業は、案外辛く厳しいものなのかもしれない。
ギャグ漫画というジャンルは、どの漫画雑誌にも必ず掲載される。ギャグ漫画は、ギャグ漫画専門の漫画家によって描かれることが多い。シリアスな漫画とギャグ漫画を両方こなす漫画家もいるが、どちらかといえば少数派だったと思う。
ギャグ漫画は、専門性が強いというか、志向性が強いと評すべきか、かなり特異なジャンルかもしれない。ストーリーのなかに笑いのパートを挿入するだけなら、どの漫画家も頻繁に行う。しかし、笑いのパートだけで読者を惹き付けるのは、かなり難しい作業のようだ。
昔は良かった。「さざえさん」や「いじわるバアサン」などは、日常的な笑いを提供することで成り立っていた。しかし、漫画の進化が、日常的な笑いで満足していることを許さなくなった。非日常的な笑いというか、突飛な笑いを常時提供することは、精神的に過酷な作業であったようだ。ギャグ漫画の大家、赤塚秀夫は次第に面白さを喪失し、アルコールに溺れてしまった。
ギャグ漫画は漫画家を壊すと噂が立つようになった。壊れる前に逃げ出したの漫画家もいる。「進めパイレーツ」の江口寿志がその先駆けかもしれない。「ガキでか」の山上たつひこは、文章の世界に飛び出してしまった。なかでも悲惨だったのが、「マカロニほうれん荘」の鴨川つばめだった。彼は逃げ出すことも出来ず、壊れてしまった。
間違いなく「マカロニほうれん荘」は面白かった。リズム感のあるギャグ漫画だった。おしゃれでポップで、非日常的な有り得ない笑い。しかし、回を重ねることに、次第に面白みが薄れ、なにが可笑しいのかが分からない作品に成り下がった。徹夜を連日続け、疲労感から止め処もなく笑っているかのような、不健康さが嗅ぎ取れるようになっていた。そして彼は姿を消した。
鴨川つばめは、その後も時折マイナーな雑誌に掲載されることもあったが、盛時のかけらもない凡庸なギャグばかり。壊れてしまったギャグ漫画家の末路は悲惨だった。
その後のギャグ漫画は、ストーリー性を重視したもの(パタリロとか)か、不条理な笑い(軍人くん等)とに二分化した。その状況を変えたのが4コマ漫画だった。元のギャグ漫画に戻ったわけだ。古典に帰るとは、よくいったものだ。
再び鴨川つばめが復活するとは思えないが、それでもギャグ漫画の頂点の一つとして「マカロニほうれん荘」という作品があったことは覚えていたいと考えてます。
ギャグ漫画というジャンルは、どの漫画雑誌にも必ず掲載される。ギャグ漫画は、ギャグ漫画専門の漫画家によって描かれることが多い。シリアスな漫画とギャグ漫画を両方こなす漫画家もいるが、どちらかといえば少数派だったと思う。
ギャグ漫画は、専門性が強いというか、志向性が強いと評すべきか、かなり特異なジャンルかもしれない。ストーリーのなかに笑いのパートを挿入するだけなら、どの漫画家も頻繁に行う。しかし、笑いのパートだけで読者を惹き付けるのは、かなり難しい作業のようだ。
昔は良かった。「さざえさん」や「いじわるバアサン」などは、日常的な笑いを提供することで成り立っていた。しかし、漫画の進化が、日常的な笑いで満足していることを許さなくなった。非日常的な笑いというか、突飛な笑いを常時提供することは、精神的に過酷な作業であったようだ。ギャグ漫画の大家、赤塚秀夫は次第に面白さを喪失し、アルコールに溺れてしまった。
ギャグ漫画は漫画家を壊すと噂が立つようになった。壊れる前に逃げ出したの漫画家もいる。「進めパイレーツ」の江口寿志がその先駆けかもしれない。「ガキでか」の山上たつひこは、文章の世界に飛び出してしまった。なかでも悲惨だったのが、「マカロニほうれん荘」の鴨川つばめだった。彼は逃げ出すことも出来ず、壊れてしまった。
間違いなく「マカロニほうれん荘」は面白かった。リズム感のあるギャグ漫画だった。おしゃれでポップで、非日常的な有り得ない笑い。しかし、回を重ねることに、次第に面白みが薄れ、なにが可笑しいのかが分からない作品に成り下がった。徹夜を連日続け、疲労感から止め処もなく笑っているかのような、不健康さが嗅ぎ取れるようになっていた。そして彼は姿を消した。
鴨川つばめは、その後も時折マイナーな雑誌に掲載されることもあったが、盛時のかけらもない凡庸なギャグばかり。壊れてしまったギャグ漫画家の末路は悲惨だった。
その後のギャグ漫画は、ストーリー性を重視したもの(パタリロとか)か、不条理な笑い(軍人くん等)とに二分化した。その状況を変えたのが4コマ漫画だった。元のギャグ漫画に戻ったわけだ。古典に帰るとは、よくいったものだ。
再び鴨川つばめが復活するとは思えないが、それでもギャグ漫画の頂点の一つとして「マカロニほうれん荘」という作品があったことは覚えていたいと考えてます。