「オレ、ターザン。ジャングルの平和守る」そして傍らのチンバンジーを指して「これ、チーター。オレの友達」こんな口調で話すターザンが嫌いだ。
20世紀前半、アメリカのパルプ・マガジン誌上最大のヒーローが、ジャングルの王者ターザンだった。絶大な人気を誇り、アメリカでは何度も映画化され、アニメも作られて、それが日本でも放送されていた。そこでのターザンは、冒頭の口調で喋り、ジャングルの平和を乱す悪人たちと戦っていた。
私がバロウズの原作を読んだのは、案外遅く高校生の時だった。映画やアニメのターザンとは、全く違うターザンに驚いた。実際、原作者のバロウズは、映画のターザンを嫌っていた。原作におけるターザンは、野生育ちの野蛮さを持つ一方で、都市文明に反感を抱く批評者であり、なにより健やかな正義感を持つ紳士として描かれている。
イギリス貴族のグレイストーク卿の遺児であり、英国紳士としての教養を身につけつつも、自然児としての健全さを有したターザンは、現代文明に対するアンチ・テーゼとしての立場を具現したヒーローだった。
原作者のバロウズは、アメリカ人ですが、いわゆる南部紳士を理想とする人で、当時大躍進を遂げていたアメリカの現状に不満を抱き、自然のなかで暮らす生活に強い郷愁を抱いていたことが、希代の自然児ターザンを生み出したのだと思います。
原作は30巻以上あり、私も全て読んだわけではない。いや、読みたかったのだが、版権を有していた早川書房が、ほっちゃったものだから入手が困難な本になってしまったのです。ここ20年ほど、古本屋をずいぶんと探したものですが、未だに全巻入手は出来ていません。
ところが、どういう経緯か知りませんが、創元推理文庫がダイジェスト版でターザンを復刻しており、現在ではそれが一番入手しやすいものとなっています。でも、私は当初の早川書房版が好き。挿絵が素晴らしいのです。たしか武部画伯のものだと思いますが、野蛮さと理性を兼ね備えたターザンを見事に描いているのです。
何年かかるか分りませんが、古本屋巡りを続けて、いつかは全巻揃えたいものです。
20世紀前半、アメリカのパルプ・マガジン誌上最大のヒーローが、ジャングルの王者ターザンだった。絶大な人気を誇り、アメリカでは何度も映画化され、アニメも作られて、それが日本でも放送されていた。そこでのターザンは、冒頭の口調で喋り、ジャングルの平和を乱す悪人たちと戦っていた。
私がバロウズの原作を読んだのは、案外遅く高校生の時だった。映画やアニメのターザンとは、全く違うターザンに驚いた。実際、原作者のバロウズは、映画のターザンを嫌っていた。原作におけるターザンは、野生育ちの野蛮さを持つ一方で、都市文明に反感を抱く批評者であり、なにより健やかな正義感を持つ紳士として描かれている。
イギリス貴族のグレイストーク卿の遺児であり、英国紳士としての教養を身につけつつも、自然児としての健全さを有したターザンは、現代文明に対するアンチ・テーゼとしての立場を具現したヒーローだった。
原作者のバロウズは、アメリカ人ですが、いわゆる南部紳士を理想とする人で、当時大躍進を遂げていたアメリカの現状に不満を抱き、自然のなかで暮らす生活に強い郷愁を抱いていたことが、希代の自然児ターザンを生み出したのだと思います。
原作は30巻以上あり、私も全て読んだわけではない。いや、読みたかったのだが、版権を有していた早川書房が、ほっちゃったものだから入手が困難な本になってしまったのです。ここ20年ほど、古本屋をずいぶんと探したものですが、未だに全巻入手は出来ていません。
ところが、どういう経緯か知りませんが、創元推理文庫がダイジェスト版でターザンを復刻しており、現在ではそれが一番入手しやすいものとなっています。でも、私は当初の早川書房版が好き。挿絵が素晴らしいのです。たしか武部画伯のものだと思いますが、野蛮さと理性を兼ね備えたターザンを見事に描いているのです。
何年かかるか分りませんが、古本屋巡りを続けて、いつかは全巻揃えたいものです。