ヌマンタの書斎

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二人の中村

2007-05-11 09:29:22 | スポーツ
少し旧聞になるが、スコットランド・リーグは中村俊輔を擁するセルティックが優勝を遂げた。俊輔は、選手投票でも、記者投票でもMVPを獲得。プレミアやセリエAと比べると格落ちのリーグだが、それでも遠く欧州の地で活躍し、それが高く評価されているのだから、我がことのように嬉しい。

ただ、その活躍がドイツ・ワールドカップでは活かされなかったことを、非常に残念に思う気持ちは今も変わりない。それは俊輔本人もそうだと思う。次の南ア大会こそ、汚名返上の機会だと考えているはずです。

一方、日本代表ではオシム監督の下、新しい代表選手が活躍を始めている。その中心の一人が川崎フロンターレの司令塔、中村憲剛であることは間違いない。正直、代表への選出は意外でした。アンダー17、アンダー21でも聞いたことはなく、オリンピックの選手にも選出されてはないと思う。しかし、フロンターレにあって、彼が出場しているかどうかで、攻撃力がまるで違う。

川崎フロンターレがJ1から落ちて、J2で試合をしていた頃から憲剛選手は力をつけてレギュラーを獲得。その後は、J屈指の攻撃サッカーを展開するチームの中核を担う選手に成長した。つまりJリーグで成長した選手なのです。オシム・ジャパンにあっても、徐々に力を発揮して、今では中心選手に近い存在に成長しています。

この二人の中村が、今後の日本サッカーの中心を担う可能性は高いと私はみています。憲剛については、当初あまり高い評価はしていませんでした。国際試合の経験は少なく、当たりが激しく、自由にプレーさせてくれない国際試合で、活躍できるか疑問があったからです。実際、初代表の試合では、中盤でボールをキープできずに、もたついたプレーに終始していました。ただ、ミドル・シュートの精度は高く、しっかり得点していたのも事実でした。

二人とも司令塔タイプの選手で、パスの出し手であると同時に、二列目からの得点を得意とする点でも似ているタイプなのです。似たタイプだけに、ここは国際経験豊かな俊輔がポジションをとるとみていましたが、どうもオシム監督は違う考えを持っていた様子。

先月のペルー戦では、後半途中に選手交代で先発の俊輔と、途中出場の憲剛を同時にピッチに置いたのは驚いた。しかも、憲剛が入ったことにより、チーム全体の動きがスピーディーになり、前への展開が素早くなった。サイドに入った藤本(清水)らの若手との連携もスムーズで、より魅力的なサッカーになったのには驚いた。

俊輔はボールを支配したがる選手で、キープしてから展開する。一方、憲剛はボール・タッチが早く周囲と連携しながら素早くボールを展開する。現時点ではオシムのサッカーに適しているのは憲剛だと思う。しかし、ペルー戦で得点に絡んだのは、間違いなく俊輔だ。似たタイプ(容貌も似てるよね)の選手でありながら、異なるプレーを展開する二人の司令塔。実に興味深いと思う。

日本代表は、未だ発展途上だと思いますが、それでも今後の展開には少々期待したいと思う。今までは弱い相手か、手抜きの相手ばかりでしたが、今年はアジア杯もあり、ヨーロッパ遠征もありで、その実力養成に相応しい一年になりそうです。
コメント
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