前回、ゼロ戦の名パイロット、坂井三郎氏を中途半端に取り上げてしまったので、表題の本を改めて紹介したいと思います。
坂井氏は、案外と日本よりも欧米の方が知名度が高いかもしれません。この本は刊行された当初から英訳され、海外で長期にわたり売れ続けた本でした。
この本が海外で知られたことで、それまで単に敵という記号に過ぎなかった日本軍に、人間としての顔があることを知らしめた本でもあります。野蛮人である日本人が、欧米の猿真似に過ぎない近代兵器に乗って殺戮をしまくったといった従来の蔑視的日本人観を覆し、敵であっても尊敬できる存在であることを理解させた功績は、極めて大きいと思います。
頑丈な機体で、ゼロ戦には出来ぬ速度で急降下して、強烈な武器で一撃離脱してゼロ戦を葬ったアメリカの撃墜王が、この本を読んだ後、訪米した坂井氏に恥ずかしげに握手を交わしたエピソードがあったようです。戦闘機のパイロットにとって、やはり格闘戦に対する憧れはあったようで、その名手への敬意は、敵であっても損なわれることはなかったのでしょう。
最も坂井氏本人は、勝つことの秘訣を格闘戦に置かず、敵を真っ先に見つけての先制攻撃に賭けていたようで、アメリカ側の戦法に敬意を抱く合理主義者でした。また最も自慢していたのが、敵の撃墜数ではなく、味方を誤射したことのないことでした。はっきりとは言明しませんでしたが、どうも味方への誤射は、けっこうあったと憶測できます。
ベトナム戦争や湾岸戦争のような近代戦でも、味方への誤射はかなりあったようですから、このあたりも欧米から敬意を払われた一因なのかもしれません。
うろ覚えですが、TV朝日の番組で坂井氏が出演して、戦争を語るものがありました。居並ぶ左派平和市民活動家の面々が圧唐ウれ、まともな反論が出来ぬ迫力は凄いものでした。坂井氏は反戦論者ではありませんが、負けた戦争をした政府及び軍首脳部へは痛烈な批判をされ、その激烈なる思いは、口先だけの反戦平和論者を圧するものがありました。
多くの戦友が死んでいくのを横目で見ながら、戦い続けて生き残った戦士の悲痛な思いは、浅薄な理想論を許さないのでしょう。私も戦争あるいは平和にはいろいろと思うことがあるのですが、坂井氏の面前に出たら、なにも言えなくなるだろうと思います。
坂井氏は、案外と日本よりも欧米の方が知名度が高いかもしれません。この本は刊行された当初から英訳され、海外で長期にわたり売れ続けた本でした。
この本が海外で知られたことで、それまで単に敵という記号に過ぎなかった日本軍に、人間としての顔があることを知らしめた本でもあります。野蛮人である日本人が、欧米の猿真似に過ぎない近代兵器に乗って殺戮をしまくったといった従来の蔑視的日本人観を覆し、敵であっても尊敬できる存在であることを理解させた功績は、極めて大きいと思います。
頑丈な機体で、ゼロ戦には出来ぬ速度で急降下して、強烈な武器で一撃離脱してゼロ戦を葬ったアメリカの撃墜王が、この本を読んだ後、訪米した坂井氏に恥ずかしげに握手を交わしたエピソードがあったようです。戦闘機のパイロットにとって、やはり格闘戦に対する憧れはあったようで、その名手への敬意は、敵であっても損なわれることはなかったのでしょう。
最も坂井氏本人は、勝つことの秘訣を格闘戦に置かず、敵を真っ先に見つけての先制攻撃に賭けていたようで、アメリカ側の戦法に敬意を抱く合理主義者でした。また最も自慢していたのが、敵の撃墜数ではなく、味方を誤射したことのないことでした。はっきりとは言明しませんでしたが、どうも味方への誤射は、けっこうあったと憶測できます。
ベトナム戦争や湾岸戦争のような近代戦でも、味方への誤射はかなりあったようですから、このあたりも欧米から敬意を払われた一因なのかもしれません。
うろ覚えですが、TV朝日の番組で坂井氏が出演して、戦争を語るものがありました。居並ぶ左派平和市民活動家の面々が圧唐ウれ、まともな反論が出来ぬ迫力は凄いものでした。坂井氏は反戦論者ではありませんが、負けた戦争をした政府及び軍首脳部へは痛烈な批判をされ、その激烈なる思いは、口先だけの反戦平和論者を圧するものがありました。
多くの戦友が死んでいくのを横目で見ながら、戦い続けて生き残った戦士の悲痛な思いは、浅薄な理想論を許さないのでしょう。私も戦争あるいは平和にはいろいろと思うことがあるのですが、坂井氏の面前に出たら、なにも言えなくなるだろうと思います。